ステップ3(感想文を書く) 読書感想文の書き方
いよいよ読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) を書 ( か ) いていくよ。用意 ( ようい ) するものは、筆記用具 ( ひっきようぐ ) 、読 ( よ ) んだ本 ( ほん ) 、本 ( ほん ) に貼 ( は ) ったふせん、下書 ( したが ) き用 ( よう ) のメモ用紙 ( ようし ) 、そして本番 ( ほんばん ) 用 ( よう ) の原稿 ( げんこう ) 用紙 ( ようし ) 。準備 ( じゅんび ) はいいかな?
読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) は「タイトル」と、「つかみ」「なか」「まとめ」の3つのパートにわけられるんだ。
次 ( つぎ ) の手順 ( てじゅん ) で進 ( すす ) めていけば、無理 ( むり ) なく読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) が仕上 ( しあ ) がるよ!
タイトル
「~を読 ( よ ) んで」というタイトルではなく、自分 ( じぶん ) が一番 ( いちばん ) 言 ( い ) いたいこと……自分 ( じぶん ) の気持 ( きも ) ちや考 ( かんが ) えが伝 ( つた ) わるようなタイトルをつけると、書 ( か ) きたいことが読 ( よ ) んでいる人 ( ひと ) にもはっきり伝 ( つた ) わるよ。
なかなか良 ( よ ) いものがうかばなければ、全部 ( ぜんぶ ) を書 ( か ) き終 ( お ) わったあとにタイトルをつけてもいいよ。
【例 ( れい ) 】
家族 ( かぞく ) がいることと、健康 ( けんこう ) の大切 ( たいせつ ) さを知 ( し ) った
①つかみ
(ア)まずは、読 ( よ ) む人 ( ひと ) へ「この本 ( ほん ) にはどんなことが書 ( か ) かれているのか」を伝 ( つた ) えるために、選 ( えら ) んだ本 ( ほん ) の内容 ( ないよう ) を1文 ( ぶん ) であらわしてみよう。
(イ)次 ( つぎ ) に、どうしてこの本 ( ほん ) を手 ( て ) にとったのか、理由 ( りゆう ) を書 ( か ) くよ。選 ( えら ) んだきっかけを書 ( か ) くものいいね。
(ウ)そして、この本 ( ほん ) を読 ( よ ) んで一番 ( いちばん ) 心 ( こころ ) に残 ( のこ ) ったことを書 ( か ) こう。そのためには、ステップ②で貼 ( は ) ったふせんを見直 ( みなお ) してみよう。「もう一度 ( いちど ) 読 ( よ ) みたいな」と思 ( おも ) ったところを見返 ( みかえ ) すことで、自分 ( じぶん ) が本 ( ほん ) の中 ( なか ) のどこに感動 ( かんどう ) したか、心 ( こころ ) が動 ( うご ) いたかを振 ( ふ ) り返 ( かえ ) ることができるよ。
これで、最初 ( さいしょ ) のパートとなる「つかみ」が完成 ( かんせい ) !
【例 ( れい ) 】
(ア)『○○』という本 ( ほん ) には、ある日 ( ひ ) 突然 ( とつぜん ) 病気 ( びょうき ) になったお母 ( かあ ) さんと、その家族 ( かぞく ) とのやり取 ( と ) りが書 ( か ) かれています。
(イ)私 ( わたし ) はお父 ( とう ) さんとお母 ( かあ ) さん、妹 ( いもうと ) の4人 ( にん ) 家族 ( かぞく ) ですが、今 ( いま ) まで誰 ( だれ ) も入院 ( にゅういん ) したことはありません。だから、もしも家族 ( かぞく ) が病気 ( びょうき ) になったらどうなってしまうのか、気 ( き ) になってこの本 ( ほん ) を手 ( て ) に取 ( と ) りました。
(ウ)読 ( よ ) んでみると、主人公 ( しゅじんこう ) の○○と私 ( わたし ) は似 ( に ) ている部分 ( ぶぶん ) がたくさんありました。だから、もしも私 ( わたし ) の家族 ( かぞく ) の誰 ( だれ ) かが病気 ( びょうき ) になったらどうなるかを想像 ( そうぞう ) しながら読 ( よ ) むことができました。
②なか
次 ( つぎ ) は、読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) の大 ( おお ) きな分量 ( ぶんりょう ) を占 ( し ) める「なか」に取 ( と ) りかかろう。「なか」はAとBの2つのパートにわけられるよ。
A 「つかみ」で書 ( か ) いた「心 ( こころ ) に残 ( のこ ) ったこと」は、どの場面 ( ばめん ) から感 ( かん ) じたかな? ふせんを貼 ( は ) ったページを見返 ( みかえ ) しながら、その場面 ( ばめん ) の説明 ( せつめい ) をしよう。
B Aで書 ( か ) いた場面 ( ばめん ) と同 ( おな ) じような体験 ( たいけん ) をしたことはないかな? 自分 ( じぶん ) には経験 ( けいけん ) がないけど、友 ( とも ) だちから聞 ( き ) いたことがある、ニュースで見 ( み ) たことがある、でもOK。心 ( こころ ) に残 ( のこ ) った場面 ( ばめん ) を自分 ( じぶん ) に引 ( ひ ) き寄 ( よ ) せて、どう思 ( おも ) ったかを考 ( かんが ) えてみよう。それを言葉 ( ことば ) にすれば、読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) の中 ( なか ) で一番 ( いちばん ) 大切 ( たいせつ ) な「この本 ( ほん ) を読 ( よ ) んで、自分 ( じぶん ) はどう思 ( おも ) ったか?」が書 ( か ) けるよ。
このAとBがセットで「なか」になるよ。AとBのセットが2つ、3つと増 ( ふ ) えていくほど、内容 ( ないよう ) がつまった、長 ( なが ) い読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) になるんだ。学年 ( がくねん ) が上 ( あ ) がったら、ぜひ挑戦 ( ちょうせん ) してみてね。
【例 ( れい ) 】
A 私 ( わたし ) が一番 ( いちばん ) 印象 ( いんしょう ) に残 ( のこ ) っているのは、○○がお母 ( かあ ) さんの体調 ( たいちょう ) 不良 ( ふりょう ) に初 ( はじ ) めて気 ( き ) づいた場面 ( ばめん ) です。いつもニコニコ笑顔 ( えがお ) のお母 ( かあ ) さんがつらそうにしている様子 ( ようす ) を見 ( み ) て、○○は自分 ( じぶん ) まで胸 ( むね ) が苦 ( くる ) しくなったのです。
B ○○の気持 ( きも ) ちを想像 ( そうぞう ) していたら、去年 ( きょねん ) 私 ( わたし ) のお母 ( かあ ) さんが風邪 ( かぜ ) をひいて、一日 ( にち ) 寝込 ( ねこ ) んだ日 ( ひ ) のことを思 ( おも ) い出 ( だ ) しました。あの日 ( ひ ) は、お父 ( とう ) さんも早 ( はや ) く帰 ( かえ ) ってきて、家族 ( かぞく ) みんなでご飯 ( はん ) を作 ( つく ) って、お母 ( かあ ) さんの看病 ( かんびょう ) をしました。次 ( つぎ ) の日 ( ひ ) にはお母 ( かあ ) さんの熱 ( ねつ ) は下 ( さ ) がっていたけれど、たった一日 ( にち ) だけでも、お母 ( かあ ) さんがいつもしてくれていることの大変 ( たいへん ) さがわかりました。そして、健康 ( けんこう ) でいることのありがたさも感 ( かん ) じました。
③まとめ
最後 ( さいご ) は「まとめ」だよ。
「つかみ」で書 ( か ) いた心 ( こころ ) に残 ( のこ ) ったことを受 ( う ) けて、自分 ( じぶん ) はこれからどうしていきたいのか、どう考 ( かんが ) えたのかを書 ( か ) くのがポイント。同 ( おな ) じ作者 ( さくしゃ ) の本 ( ほん ) をもっと読 ( よ ) んでみたい、似 ( に ) ているテーマの本 ( ほん ) を調 ( しら ) べてみたい、なんて決意 ( けつい ) を書 ( か ) くのもいいね。
これで、読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) のラストとなる「まとめ」ができたよ!
【例 ( れい ) 】
やっぱり、健康 ( けんこう ) は大切 ( たいせつ ) だと思 ( おも ) います。そして、家族 ( かぞく ) が元気 ( げんき ) でいることは当 ( あ ) たり前 ( まえ ) のことだと思 ( おも ) っていたけど、そうではないことを知 ( し ) りました。これからは、みんなで健康 ( けんこう ) に気 ( き ) をつけること、そして、お母 ( かあ ) さんだけに家事 ( かじ ) を任 ( まか ) せず、私 ( わたし ) も家 ( いえ ) のことをちゃんと手伝 ( てつだ ) おうと心 ( こころ ) に決 ( き ) めました。
この①から③は、いきなり原稿 ( げんこう ) 用紙 ( ようし ) に書 ( か ) こうと思 ( おも ) っても、大人 ( おとな ) だって難 ( むずか ) しいんだ。だから、貼 ( は ) ったふせんを見 ( み ) ながら、一度 ( いちど ) 白 ( しろ ) い紙 ( かみ ) に下書 ( したが ) きをしていくといいよ。自分 ( じぶん ) 一人 ( ひとり ) では難 ( むずか ) しかったら、家族 ( かぞく ) の人 ( ひと ) に話 ( はな ) しながらメモをしていくことがおすすめ。メモがたまって全体 ( ぜんたい ) の流 ( なが ) れができたら、本番 ( ほんばん ) 用 ( よう ) の原稿 ( げんこう ) 用紙 ( ようし ) に書 ( か ) いていこう。
<高 ( こう ) 学年 ( がくねん ) ・中学生 ( ちゅうがくせい ) のキミには…>
学年 ( がくねん ) が上 ( あ ) がっても、読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) の手順 ( てじゅん ) は同 ( おな ) じ。「なか」のABを3セット4セット書 ( か ) けると、分量 ( ぶんりょう ) も増 ( ふ ) えて、充実 ( じゅうじつ ) した内容 ( ないよう ) の読書 ( どくしょ ) 感想文 ( かんそうぶん ) になるよ。あとは、「つかみ」の書 ( か ) き方 ( かた ) を少 ( すこ ) し工夫 ( くふう ) することもおすすめ。登場 ( とうじょう ) 人物 ( じんぶつ ) に語 ( かた ) りかけるように書 ( か ) いたり、結論 ( けつろん ) を先 ( さき ) に書 ( か ) いたりと、いろいろチャレンジしてみよう。
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中学生必見!小学生と差をつける読書感想文の書き方カンペキナビ【専門家 塩谷京子先生監修】
<保護者の方へ>
ふせんを見返してもメモが進まない様子であれば、お子さんの気持ちを引き出せるようにさまざまな質問をしてみましょう。また、書くことに苦手意識がある子どもの場合は、スマートフォンやタブレットなどの音声入力を使うのも一つの手。口に出してしゃべるということは、頭の中で文章を推敲している証拠です。最後に、その音声入力した内容を見ながら、原稿用紙にまとめていけばOK。お子さんに合った方法で、読書感想文をサポートしてあげてくださいね。
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