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【スラスラ書ける!】読書感想文の書き方・3ステップ必勝法

【スラスラ書ける!】読書感想文の書き方・3ステップ必勝法

夏休みの宿題の2大テーマといえば、自由研究と読書感想文。特に読書感想文は、親としてもどうサポートしていいか難しいもの……ですが、じつは基本の3ステップさえおさえれば、子どもが迷わず、しかも楽しく読書感想文を書くことができるんです! 今回は、元小学校の教員であり大学の客員准教授として活躍されている塩谷京子先生に、読書感想文を書くコツを教えてもらいました。

ステップ1:読みたい本を選ぶ

まずは本選びからスタート。このファーストステップで、読書感想文につまずいてしまうケースも少なくありません。

「図書館や書店に行く前に、まずは、お子さんがどんなジャンルに興味があるかを知ることが、読書感想文を成功させる秘訣です。おすすめは、国語の教科書の中で、どの話が好きかを質問すること。『音読をしていて楽しいお話はどれ?』という聞き方でもいいですね。

教科書には必ず、小説ジャンルと、伝記や説明文のようなジャンルのものが収録されています。登場人物が出てくる物語を選んだ子には、小説のような物語を。事実が書かれた説明文のような話が好きだと答えた子には、同じような種類のものを、読書感想文用の本として探すと良いでしょう」(塩谷先生)

本選びは、図書館でも本屋さんでもOK。図書館のレファレンスコーナーで「○年生の国語の教科書に載っている『△△』のような本はありますか?」などと質問するのも良いのだとか。また、少し学年が上になり、長い文章が読めるようになってきたら、一冊が分厚い物語や、シリーズ化されているものに挑戦してみるのもおすすめです。長い休みだからこそ挑戦できる本を選ぶことで、宿題の枠を超えた素敵な夏の思い出になるのではないでしょうか。

いろいろ探してみたけれど読みたい本が見つからない場合は、どうしたらいいでしょうか。

課題図書から選んでみてはどうでしょう。課題図書は小学校低学年、中学年、高学年、中学校、高等学校の4つの部門があり、『課題図書』選定委員会がおすすめの本を紹介してくれています(小学生は各部門4冊、中学生、高校生は各3冊)。最近出版された本の中から、いまの子どもたちにピッタリのテーマが選ばれているので、読みやすく、読書感想文が書きやすいものばかり。課題図書コーナーが設けられている本屋さんも多いので、お子さんと一緒に中身を見ながら選んでみてくださいね」(塩谷先生)

<今年の課題図書一覧はこちら

ステップ2:選んだ本を読む

本を選んだら、次はその本を読むステップです。子どもが小さい場合は、どのようにサポートすれば良いでしょうか。

「お子さんが低学年の場合は特に、文字自体は読めても、内容や文章の意味を理解しながら読み進めることは難しい場合が多いため、黙読ではなく、声に出して読むことをおすすめします。年齢が小さいと、目から入る情報よりも、耳から入る情報量の方が圧倒的に多いからです。まずは、はじめの部分だけでも、保護者の方が読み聞かせをしてあげてください。親子で交代に読むこともおすすめです」(塩谷先生)

なるほど、音読の宿題があるのも、このためなのですね。一方、自分でどんどん読み進められる子どもには、どんな声がけがおすすめですか。

ふせんを用意して、『あとでもう一度読みたいな』と思うページに貼っていくよう勧めてみてください。お子さんが本に貼ったふせんは、読書感想文を書くときの手助けとなります。『感動した』『どうして?と気になった』など、もう一度読みたい理由もメモしておくとさらに◎。

読みながらメモするのが難しい場合は、すべて読み終わったあとに『どうしてこの本を読みたいと思ったの?』『読んでいてビックリしたことはあった?』『読む前と読んだあとで、なにか気持ちは変わったかな?』といったように、保護者の方がどんどん質問して、その答えをふせんにメモしていきましょう。このとき、親が表現を言い換えたりせず、お子さんが答えたままの言葉を書くことがポイントです」(塩谷先生)

少し大きめのふせんだと、たくさんメモしやすいですね。なお、高学年や中学生のお子さんの場合は、ふせんの種類をいくつか用意して、共感できるなと思ったシーンには赤色のふせん、自分とは考えが違うというシーンには青色のふせんを貼るなど、色分けするのもおすすめだそうです。

ステップ3: 読書感想文に取りかかる

いよいよ最終ステップである、読書感想文を書くことに取りかかります。何からはじめたらいいでしょうか。

「まずおさえておきたいのは、読書感想文は『タイトル』と、『つかみ』『なか』『まとめ』の3つのパートにわけられるということ。それぞれの書き方は、次の手順で進めていきましょう」(塩谷先生)

タイトル

読書感想文は、第三者に自分の読んだ本の良いところを勧めるために書くものです。そのため、できれば『~を読んで』ではなく、お子さんが一番言いたいこと、自分の気持ちや考えが伝わるようなタイトルがベスト。本を読んで、環境問題の難しさを知った……と感じたのであれば、『私が感じた環境問題の難しさ』でOKです。良いタイトルが浮かばない場合は、すべて書き終えたあとで、もう一度考えても良いでしょう。

つかみ

続いては、読書感想文の最初のパートとなる「つかみ」です。「つかみ」は、さらに次のアイウの内容から成り立っています。ふせんを貼ったページを見ながら、ひとつずつ書いていきましょう。

(ア)読む人へ「この本にはどんなことが書かれているのか」を伝えるために、選んだ本の内容を1文であらわす

(イ)この本を選んだ理由、手にとったきっかけを書く

(ウ)ステップ2で貼ったふせんを見返して、この本を読んで一番心に残ったことを書く

なか

読書感想文の大きな分量を占める「なか」のパートは、下記AとBでワンセット。このセットを2つ3つと増やしていけば、より内容が詰まった読書感想文になります。少し上の学年のお子さんには、そのように伝えてみてください。

(A)「つかみ」で書いた「心に残ったこと」は、どの場面から感じたのか、ふせんを貼ったページを見返しながら、その場面の説明を書く

(B)Aで書いた場面に、お子さん自身の体験を引き寄せてみます。登場人物と同じような体験をしたことがある、自分には経験がないけれど、友だちから聞いたことがある、ニュースで見たことがある、など、どんなことでも構いません。こうして自分の思いを言葉にしていくことで、読書感想文の中で一番大切な「この本を読んで、自分はどう思ったか?」が仕上がります。

まとめ

最後は「まとめ」です。「つかみ」で書いた心に残ったことを受けて、自分はこれからどうしていきたいのか、どう考えたのかを書くのがポイント。同じ作者の本をもっと読んでみたい、似ているテーマの本を調べてみたい、といった決意を書くのもおすすめです。

【読書感想文の例】

 

タイトル

・家族がいることと、健康の大切さを知った

 

つかみ

(ア)『○○』という本には、ある日突然病気になったお母さんと、その家族とのやり取りが書かれています。

(イ)私はお父さんとお母さん、妹の4人家族ですが、今まで誰も入院したことはありません。だから、もしも家族が病気になったらどうなってしまうのか、気になってこの本を手に取りました。

(ウ)読んでみると、主人公の○○と私は似ている部分がたくさんありました。だから、もしも私の家族の誰かが病気になったらどうなるかを想像しながら読むことができました。

 

なか

A 私が一番印象に残っているのは、○○がお母さんの体調不良に初めて気づいた場面です。いつもニコニコ笑顔のお母さんがつらそうにしている様子を見て、○○は自分まで胸が苦しくなったのです。

B ○○の気持ちを想像していたら、去年私のお母さんが風邪をひいて、一日寝込んだ日のことを思い出しました。あの日は、お父さんも早く帰ってきて、家族みんなでご飯を作って、お母さんの看病をしました。次の日にはお母さんの熱は下がっていたけれど、たった一日だけでも、お母さんがいつもしてくれていることの大変さがわかりました。そして、健康でいることのありがたさも感じました。

 

まとめ

やっぱり、健康は大切だと思います。そして、家族が元気でいることは当たり前のことだと思っていたけど、そうではないことを知りました。これからは、みんなで健康に気をつけること、そして、お母さんだけに家事を任せず、私も家のことをちゃんと手伝おうと心に決めました。

 

思いを書きあらわすことが苦手な場合は、音声入力を活用

自分の思いを言葉で表現することは、大人でも難しいもの。子どもが進めやすいような、何か良いアドバイスはありますか?

「なかなかメモが進まない様子であれば、保護者の方がお子さんの気持ちを引き出せるようにさまざまな質問をしてみてください。その際、スマートフォンやタブレットなどの音声入力を使うのも一つの手です。

口に出してしゃべるということは、頭の中で文章を推敲している証拠。最後に、その音声入力した内容を見ながら、原稿用紙にまとめていくと、スムーズに書き進められるのではないでしょうか」(塩谷先生)

 

 

「なにより大切なのは、読書感想文に楽しく取り組めるようにサポートすること。選んだ本が途中で読み進められないときは、本を替えても構いません。一気に仕上げなくても、ゆっくりじっくり読みながら、少しずつふせんを貼っていけば大丈夫。お子さんに合った方法とペースで、読書感想文をサポートしてあげてくださいね」と塩谷先生。今年の読書感想文は、親子で楽しみながら取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

取材・文/水谷映美

お子さんと一緒に読書感想文の書き方のステップを見たい場合はこちら

お話を聞いた人:塩谷 京子さん

お話を聞いた人:塩谷 京子さん

お話を聞いた人:塩谷 京子さん

放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。静岡県の公立小学校教諭、関西大学初等部教諭/中高等部兼務を経て現職。図書館教育、情報教育に取り組み、著書を多数執筆。教育用情報システムの開発・研究にも複数参加している。現在大学では「司書教諭資格取得科目」を担当。

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