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中学生必見!小学生と差をつける読書感想文の書き方カンペキナビ【専門家 塩谷京子先生監修】

中学生必見!小学生と差をつける読書感想文の書き方カンペキナビ【専門家 塩谷京子先生監修】

夏休(なつやす)みの(おお)きな課題(かだい)である「読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)」。中学生(ちゅうがくせい)になると原稿(げんこう)用紙(ようし)枚数(まいすう)()え、小学校(しょうがっこう)のときの読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)とは(すこ)(ちが)ったものを仕上(しあ)げなくては……と戸惑(とまど)っている(ひと)もいるのでは。これまで()いたことがなかったけれど、中学生(ちゅうがくせい)になって(はじ)めて夏休(なつやす)みの宿題(しゅくだい)()された! という(ひと)もいるかもしれません。そこで、司書(ししょ)教諭(きょうゆ)経験(けいけん)()ち、多数(たすう)書籍(しょせき)監修(かんしゅう)している文章(ぶんしょう)のプロ・塩谷(しおや)京子(きょうこ)先生(せんせい)に、中学生(ちゅうがくせい)()けの読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)()(かた)(おし)えてもらいました。

▶【小学生(しょうがくせい)()け】読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)()(かた)()りたい(ひと)はこちら

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中学生(ちゅうがくせい)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)小学生(しょうがくせい)とココが(ちが)う!

中学生(ちゅうがくせい)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)でポイントとなるのは、(つぎ)の2(てん)です。

1 (ほん)()(まえ)(あと)で、自分(じぶん)視野(しや)がどう(ひろ)がったかを(かんが)える

小学生(しょうがくせい)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)では、(ほん)()んだ感想(かんそう)(つた)えることが大切(たいせつ)でした。中学生(ちゅうがくせい)ではそこから(すこ)発展(はってん)させて、(ほん)()(まえ)()んだ(あと)でどんな()づきがあったか、(かんが)えがどう(ふか)まったか、そして自分(じぶん)気持(きも)ちがどう変化(へんか)したかを(くら)べてみましょう。

(おな)物事(ものごと)()ていても、AさんとBさんとでは見方(みかた)全然(ぜんぜん)(ちが)うことがありますよね。(ほん)()むことで、自分(じぶん)とは(ちが)ったものの見方(みかた)(かんが)(かた)()ることができます。その(ちが)いを()るだけでも十分(じゅうぶん)財産(ざいさん)になりますが、さらに読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)としてアウトプット(発信(はっしん))することで、(あら)たな価値観(かちかん)として自分(じぶん)(なか)(きざ)むことができるのです。

(わたし)たちが普段(ふだん)()れている情報(じょうほう)は、想像(そうぞう)している以上(いじょう)(かたよ)っています。たとえばインターネットで()にする情報(じょうほう)やSNSの投稿(とうこう)は、自分(じぶん)関係(かんけい)しているもの、興味(きょうみ)関心(かんしん)があるものばかりが表示(ひょうじ)される傾向(けいこう)(つよ)く、自分(じぶん)視野(しや)(ひろ)げることは、なかなか(むずか)しいもの。だからこそ、読書(どくしょ)(つう)じて自分(じぶん)見方(みかた)(かんが)(かた)(ひろ)くすることは、これから(さき)大人(おとな)になって社会(しゃかい)()ていく(なか)必要(ひつよう)とされる(ちから)でもあるのです。

2 (こころ)(のこ)った「場面(ばめん)」や「言葉(ことば)」を(さが)

中学生(ちゅうがくせい)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)でもうひとつ大切(たいせつ)にしたいのは、(こころ)(のこ)った場面(ばめん)印象的(いんしょうてき)言葉(ことば)()つけること。これまでも、もう一度(いちど)()みたいページに付箋(ふせん)()ったりしていた(ひと)はいたと(おも)いますが、中学生(ちゅうがくせい)でカギとなるのは「その(ほん)ならではの言葉(ことば)」や「著者(ちょしゃ)使(つか)っているオリジナルの表現(ひょうげん)」をピックアップすることです。

このあとのステップでも説明(せつめい)しますが、印象(いんしょう)(のこ)った場面(ばめん)(さが)()し、それを自分(じぶん)体験(たいけん)()()せて(かんが)えることで、(ほん)()むことを(とお)して()自分(じぶん)(かんが)えや()づきがハッキリしてきます。このとき、その(ほん)ならではのオリジナルの言葉(ことば)使(つか)うことで、2つの関係性(かんけいせい)がより強調(きょうちょう)されるのです。

さらに、(おな)構成(こうせい)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)でも、使(つか)われている言葉(ことば)(ちが)うだけで、()んでいる(ひと)への(とど)(かた)はぐっと()わります。小学生(しょうがくせい)のとき以上(いじょう)に、言葉(ことば)にこだわってみてほしいのです。

そのためには、普段(ふだん)からたくさんの言葉(ことば)()れておくことが大切(たいせつ)。そこで、昆虫(こんちゅう)採集(さいしゅう)をするように「言葉(ことば)採集(さいしゅう)」をしてみましょう。辞書(じしょ)やインターネット検索(けんさく)活用(かつよう)していろいろな言葉(ことば)調(しら)べることはもちろん、()きなマンガや小説(しょうせつ)、ドラマなどのセリフも参考(さんこう)になります。()()った表現(ひょうげん)(こころ)(のこ)った言葉(ことば)などは、ぜひ付箋(ふせん)やメモ(ちょう)、スマホなどに()()めておくと()いですね。

この2つを意識(いしき)して()()むことで、小学生(しょうがくせい)のときとは一味(ひとあじ)(ちが)った読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)になりますよ。

読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)()くための3ステップ

いよいよ読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)挑戦(ちょうせん)です。(つぎ)の3つのステップ(じゅん)(すす)めていけば、想像(そうぞう)していたよりもスムーズに読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)完成(かんせい)するはず。ぜひ(たの)しみながら()()んでみてくださいね。

ステップ(1)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)(ほん)(えら)ぶ(作品(さくひん)(えら)びのコツ)

自分(じぶん)興味(きょうみ)があるテーマの(ほん)(えら)ぶことが一番(いちばん)。すでに()んだことのある作品(さくひん)で、(あたら)しい発見(はっけん)があったもの、(こころ)()さぶられたものを(えら)ぶと読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)()きやすいでしょう。

これから(さが)場合(ばあい)は、学校(がっこう)本屋(ほんや)さんで推薦(すいせん)されている(ほん)や、課題(かだい)図書(としょ)の「中学校(ちゅうがっこう)()」に(えら)ばれているものから(えら)ぶのがおすすめです。

小学生(しょうがくせい)()きの(ほん)では、(だれ)でもわかるような言葉(ことば)でやさしく()かれています。それが中学生(ちゅうがくせい)()きの(ほん)になると、その著者(ちょしゃ)ならではの言葉(ことば)表現(ひょうげん)がたくさん()()まれるようになります。その著者(ちょしゃ)主張(しゅちょう)()つけ()し、自分(じぶん)だったらこうする、と自分(じぶん)()()せて(かんが)えることで、感想文(かんそうぶん)()きやすくなりますよ。

ステップ(2)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)骨組(ほねぐ)みを(かんが)える

(ほん)(えら)んで()()わったら、(つぎ)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)骨組(ほねぐ)みに()()かりましょう。下記(かき)のピラミッドチャートに()てはめていくと、骨組(ほねぐ)みが(つく)りやすいですよ。

読書感想文の骨組み
  1. まずは、(ほん)()んで自分(じぶん)一番(いちばん)(つた)えたいことは(なに)かをメモや付箋(ふせん)()()します。ここが、読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)の「まとめ」の内容(ないよう)になります。
  2. (つぎ)に、(ほん)(なか)で「(こころ)(のこ)った場面(ばめん)言葉(ことば)」を()つけて()()します。
  3. ②で()()した場面(ばめん)言葉(ことば)自分(じぶん)()(まわ)りのことに()()せてみましょう。
  4. ②と③を(くら)べて、自分(じぶん)なりの(かんが)えや()づきは(なに)でしたか? 
    こうして()()した②③④が読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)の「なか」になり、①の「まとめ」へと(つな)がります。なお、②③④は全部(ぜんぶ)で2~3セットあると、より具体的(ぐたいてき)相手(あいて)(つた)わる読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)になりますよ。

(れい)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)骨組(ほねぐ)

読書感想文の骨組みサンプル

一番(いちばん)(つた)えたいこと】
(うそ)をつくのが(わる)いことだと()めつけることはできない。(とも)だちの(はなし)(みみ)(かたむ)けると、相手(あいて)本音(ほんね)(なや)みを()()けてくれて、(ちから)になれることがある。

場面(ばめん)言葉(ことば)
主人公(しゅじんこう)はすぐ(うそ)をつくことで有名(ゆうめい)(まわ)りのみんなから(きら)われている。

自分(じぶん)()()せる】
(とも)だちに(うそ)をつかれて、(きず)ついた経験(けいけん)がある。

自分(じぶん)(かんが)え・()づき】
(うそ)(ひと)(きず)つけるから、(うそ)はつかない(ほう)がいい。

場面(ばめん)言葉(ことば)
(うそ)ばかりついていた主人公(しゅじんこう)は、じつはある(おお)きな(なや)みを(かか)えていた。その(なや)みを(かく)すために、(うそ)をついていたことがわかった。

自分(じぶん)()()せる】
自分(じぶん)にも、(ひと)()いたくないことがある。()()ける相手(あいて)がいなくて、つい(うそ)をついてしまう気持(きも)ちもわかる()がする。

自分(じぶん)(かんが)え・()づき】
(うそ)をつく裏側(うらがわ)には、他人(たにん)にはわからない(なや)みがあるかもしれない。

ステップ(3)「つかみ」「なか」「まとめ」の3パートにまとめる

骨組(ほねぐ)みが出来上(できあ)がったら、あとは小学生(しょうがくせい)のときと(おな)じように、「つかみ」「なか」「まとめ」の3つのパートにわけて()()げていきましょう。

原稿用紙、読書感想文の構成サンプル

「なか」と「まとめ」は、読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)骨組(ほねぐ)みでメモしたものをまとめていけばOK。

「つかみ」は、「このあとの文章(ぶんしょう)()みたいな」と(おも)ってもらうための部分(ぶぶん)です。どうしてこの(ほん)(えら)んだのか、(ほん)との出会(であ)い、(ほん)(なか)一番(いちばん)(こころ)(のこ)ったこと・(つた)えたいことなどを()きます。「まとめ」で()いた内容(ないよう)を「つかみ」にも()ってくるのもインパクトがあって面白(おもしろ)いですね。

いきなり「つかみ」を()くのが(むずか)しければ、「なか」と「まとめ」を()いてから、最後(さいご)に「つかみ」を()くのもおすすめです。

読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)()(かた)3ステップ

さらにブラッシュアップしたい(ひと)は「言葉(ことば)()()え」にチャレンジ!

ここまでで、読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)完成(かんせい)

もしも「もう(すこ)頑張(がんば)ってみたい!」という場合(ばあい)は、さらに一工夫(ひとくふう)してみましょう。(いま)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)(なか)使(つか)っている言葉(ことば)を、(べつ)言葉(ことば)(ちが)った表現(ひょうげん)()()えてみるのです。と()っても、(むずか)しい言葉(ことば)()()える必要(ひつよう)はありません。

たとえば「(とも)だちは大切(たいせつ)だ」とメモしたのであれば、「(とも)だちとの(あいだ)には、かけがえのない(つな)がりがある」「(とも)だちは(わたし)()えてくれる存在(そんざい)」のように、「(とも)だちは大切(たいせつ)だ」という一文(いちぶん)をどんどん発展(はってん)させていきます。

なかなか()かばなければ、同義語(どうぎご)辞典(じてん)やインターネットのキーワード検索(けんさく)で「(とも)だち」と調(しら)べてみましょう。いろいろな()()えや名言(めいげん)などがたくさん()てくるはずです。

一緒(いっしょ)にいるとこのうえなく(たの)しい」「自分(じぶん)にとって大切(たいせつ)味方(みかた)」といったものも、「(とも)だち」の()()えのひとつ。表現(ひょうげん)自体(じたい)()えてしまってもいいですね。たとえば、「友情(ゆうじょう)のはじまりは笑顔(えがお)だ」とか。「(ひかり)(なか)一人(ひとり)(ある)くより、(やみ)(なか)(とも)だちと(ある)きたいと(おも)います。(とも)がいれば、世界(せかい)日々(ひび)()まれ()わります」というのは、ヘレンケラーの名言(めいげん)です。

こうした()()えをどんどん(すす)めていき、読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)(なか)()()んでいきましょう。たくさんの言葉(ことば)(もち)いることで、あなたならでは読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)仕上(しあ)がります。

もっと読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)をラクにするコツ

今回(こんかい)(つた)えした手順(てじゅん)(どお)りに(すす)めていけば、自分(じぶん)(かんが)えや(おも)いがしっかり()()まれた読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)()けるはず。

ちなみに、下準備(したじゅんび)はあくまでもメモ程度(ていど)(かんが)え、最初(さいしょ)からいきなり完成(かんせい)させようと(おも)わないことがポイント。有名(ゆうめい)作家(さっか)さんも、最低(さいてい)5~6(かい)()(なお)して推敲(すいこう)すると()います。ステップごとに()()めていって、あとで(つな)げてもOKですよ。

メモとして()()すのが大変(たいへん)であれば、スマートフォンなどの音声(おんせい)入力(にゅうりょく)使(つか)ってもいいですね。よりラクに、自分(じぶん)(すす)めやすい方法(ほうほう)(えら)んで、今年(ことし)読書(どくしょ)感想文(かんそうぶん)にチャレンジしてみてくださいね。

(はなし)()いた(ひと)塩谷(しおや)京子(きょうこ)さん

塩谷京子さん。放送大学客員准教授/関西大学・昭和女子大学非常勤講師、博士(情報学)。

放送大学(ほうそうだいがく)客員(きゃくいん)准教授(じゅんきょうじゅ)関西大学(かんさいだいがく)昭和(しょうわ)女子(じょし)大学(だいがく)非常勤(ひじょうきん)講師(こうし)博士(はかせ)情報(じょうほう)(がく))。静岡県(しずおかけん)公立(こうりつ)小学校(しょうがっこう)教諭(きょうゆ)関西大学(かんさいだいがく)初等(しょとう)()教諭(きょうゆ)(ちゅう)高等(こうとう)()兼務(けんむ)()現職(げんしょく)図書館(としょかん)教育(きょういく)情報(じょうほう)教育(きょういく)()()み、著書(ちょしょ)多数(たすう)執筆(しっぴつ)教育(きょういく)(よう)情報(じょうほう)システムの開発(かいはつ)研究(けんきゅう)にも複数(ふくすう)参加(さんか)している。現在(げんざい)大学(だいがく)では「司書(ししょ)教諭(きょうゆ)資格(しかく)取得(しゅとく)科目(かもく)」を担当(たんとう)

取材(しゅざい)(ぶん)水谷(みずたに)映美(えみ)

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