ご飯には水かお湯を、避難時の食事の工夫を専門家に聞きました
避難生活の中で少しでも健康に過ごすために、食事は大切です。普段の食事環境が整わないなかで、体力が落ちやすい高齢者の食事をどうしたらよいのでしょうか。日本栄養大学の久保彰子准教授に聞きました。
必ず水分はとってください
避難所の食事では、どうしても野菜やビタミン類が不足します。そのため、高齢者に限らず、「便秘になった」「口内炎ができた」という訴えをよく聞きます。そうした時には自治体などに伝えて、お弁当に野菜のおかずを増やしてもらったり、野菜ジュースを付けてもらったりします。
また、災害時にはトイレ環境が悪くなります。そうすると、普段からトイレに行く回数が多い高齢者は、何度もトイレに行くのを避けようと水分を控えるようになります。その結果、便秘や脱水症状を起こしがちです。必ず水分はとってください。
ご飯が「冷めてかたい」ときは、少量の水や湯を混ぜてください
高齢者に限りませんが、災害の直後は食料確保が最優先です。まずはエネルギーをしっかりとることが大事です。時間が経つと支援も進むので、おかずでたんぱく質やビタミン、ミネラルをとっていくという流れになります。
高齢者は食事が不十分な状態が続くと体力が低下しやすいです。病気を持っている人も多いため災害関連死につながりかねません。
唾液の分泌が若い時に比べて少なくなります。水分があった方が飲み込みやすくなります。水分をとるためにも、なるべく汁物をとりたいです。
かたいものが食べにくい人もいます。お弁当のご飯が冷めてかたければ、お湯や水を少しかけて混ぜてみてください。そのまま食べるより、ずいぶん食べやすくなります。おかずなら、ポリ袋に入れて、お湯や水を少し足してもみ、やわらかくすることもできます。
食欲がないときは、ゼリータイプの飲料や汁物など、食べやすいものから試してみてください。3度の食事にこだわらなくてよいので、食べられるときに食べてください。
被災地以外の人は、好きなおかずを備蓄してください
もし、被災地ではない場所に住む人が自宅の備えを見直す場合、食料の備蓄ではおかずを意識するとよいです。自治体の備蓄には、アルファ化米のような主食があります。自分の好きなレトルトや缶詰で構いません。イワシやサバ、焼き鳥ならたんぱく質をとることができます。汁物があると食事が進みやすいので、即席のみそ汁やスープもあるとよいです。
高野豆腐や切り干し大根といった乾物もよいです。フルーツの缶詰やドライフルーツで食物繊維やビタミンを補うこともできます。日頃から食べて買い足すことをおすすめします。
また、熱源があれば加熱調理ができます。災害時でもいろいろな料理ができます。カセットコンロは持っておきたいです。
次に、介護が必要な高齢者がいる家庭についてです。かむ力やのみ込む力の弱い高齢者用の食事は、避難所ではすぐに準備できません。普段から「刻み食」などを利用している場合は、やわらかさを調整したレトルトのおかずやおかゆを用意しておくと安心です。スーパーやドラッグストアで手に入ります。
おかゆに添える梅干しやのりのつくだ煮、ふりかけがあれば、食欲がないときに助かります。
災害時の高齢者の食事で気をつけたいこと
- 脱水や便秘を防ぐためにも水分は必ずとる
- 食欲がないときにはゼリータイプの飲料や汁物などのどを通りやすいものを食べる
- ご飯が冷めてかたければ、お湯や水をかけて混ぜると食べやすくなる
- おかずはポリ袋に入れてお湯や水と一緒にもんでやわらかくする
朝日新聞の記事をやさしい日本語に言い換えた記事です。










