たんびしゅぎ【耽美主義】 19世紀(せいき)後半にフランス・イギリスを中心にしておこった文芸思潮(ぶんげいしちょう)。「美」のみを最高(さいこう)の目的(もくてき)と考えて追究する立場。人生や道徳(どうとく),人間の生き方を題材(だいざい)としてえらぶよりも,感覚(かんかく)や情緒(じょうちょ)を重んじ,その中に美を発見しようとする,芸術至上主義的態度(げいじゅつしじょうしゅぎてきたいど)を特色(とくしょく)とする。◇「耽美(たんび)」とは「美にふける」という意味。唯美主義(ゆいびしゅぎ)ともいう。コーチ ヨーロッパではオスカー=ワイルドやボードレール,日本では北原白秋(きたはらはくしゅう)・木下杢太郎(きのしたもくたろう)・永井荷風(ながいかふう)・谷崎潤一郎(たにざきじゅんいちろう)らに代表される。