「おろかなノーベル賞」の意味で,本人はいたってまじめながら他人から見ると笑ってしまうようなユーモアあふれる研究に対して贈られる,ノーベル賞のパロディの賞。1991年,アメリカのハーバード大学系の出版社が創設。これまで,おならの除去について,水が記憶をもつこと(ホメオパシー),へそのゴマの研究,キツツキの頭痛の研究などに賞があたえられているが,「笑わせる」研究が賞の対象であるので,正当な科学研究以外の擬似科学(いわゆる「トンデモ科学」)の研究者が受賞することも多い。一方で,「カエルの磁気による浮上」により2000年にイグノーベル物理学賞を受賞したA・ガイルのように,別の研究分野ながら本物のノーベル賞(2010年,物理学賞)を受賞する研究者もいる。日本人ではこれまで,足の臭いの原因物質の研究,粘菌の鉄道網に似たネットワーク形成の研究などに賞があたえられている。⇒ノーベル賞