太陽系に属する天体の1つで,太陽に近づくと尾があらわれるもの。そのすがたからほうき星ともよばれる。すい星は核・コマ・水素コロナ・尾に分けられる。すい星の本体である核は直径数km程度で,水・二酸化炭素・アンモニア・メタンなどのこおったものに,岩石質・金属質の粒がまじったかたまりである。火星の軌道付近に入り太陽に近づくと,太陽熱であたためられてガスや固体微粒子を放出し,核の周囲に球状のコマを形成する。これがすい星の頭部として見られるもので,直径は数十万kmにおよぶ。核から放出された軽い水素はさらに広がり,半径100万km〜1000万kmにもおよぶ水素コロナ(可視光では見えない)を形成する。コマの周縁では,電離したガスや固体微粒子が太陽からの太陽風や光の圧力によって太陽の反対方向へふき流され,直線状や曲線状の尾を形成する。尾の長いものは5億km以上にもなる。すい星の軌道は細長いだ円あるいは放物線,双曲線である。だ円軌道のものを周期すい星,放物線・双曲線軌道のものを非周期すい星とよぶ。
コーチ
ハレーすい星は
周期約76年のすい星で,2061年にふたたび太陽に
接近する。