*なかむらくさたお【中村草田男】 (1901〜1983)昭和時代の俳人(はいじん)。中国,福建省(フーチエンしょう)に生まれた。本名は清一郎(せいいちろう)。大学在学(ざいがく)中に斎藤茂吉(さいとうもきち)の『朝の蛍(ほたる)』を読み,短詩型(けい)の文学にひかれた。高浜虚子(たかはまきょし)に師事(しじ)。伝統俳句(でんとうはいく)の立場に立ちながら,近代に生きる人間の心理・思想を積極的(せっきょくてき)に表現(ひょうげん)しようとして石田波郷(いしだはきょう)・加藤楸邨(かとうしゅうそん)とともに「人間探究派(たんきゅうは)」とよばれた。句集(くしゅう)に『長子(ちょうし)』『万緑(ばんりょく)』『美田(びでん)』などがある。◇「降(ふ)る雪や明治(めいじ)は遠くなりにけり」「万緑(ばんりょく)の中や吾子(あこ)の歯生(は)えそむる」