1950年代から70年代にかけて,日本中で人気を博した,コミック(ジャズ)バンド。正式には,ハナ肇とクレージーキャッツ。1955(昭和30)年にハナ肇らが結成した「キューバン・キャッツ」が前身で,アメリカの進駐軍相手に演奏を行っていた。56年,クレージーキャッツに改称。60年までにメンバーの入れ替わりがあって,ほぼ最終の7人に固定。7人のメンバーは,ハナ肇(1930〜93,リーダー,ドラムス),犬塚弘(1929〜,ベース),石橋エータロー(1927〜94,ピアノ,途中脱退),谷啓(1932〜2010,トロンボーン),安田伸(1932〜96,テナーサックス),植木等(1927〜2007,ボーカル,ギター),桜井センリ(1924〜,ピアノ)。ジャズ喫茶での音楽ギャグで人気を集め,テレビ草創期〜黄金期の『おとなの漫画』『シャボン玉ホリデー』などの番組で,軽妙な音楽コントで爆発的な人気を得る。62年からは植木等を主役に押し立てたかたちでのクレージーキャッツ出演映画も数多く作られた。70年代以降はグループ活動はほとんどなくなり,それぞれが演奏や俳優・タレントとして活動,犬塚,谷,植木などが個性的な俳優としてテレビ・映画で活躍していた。