*ものがたり【物語】 散文(さんぶん)形式の文学作品。広い意味では小説(しょうせつ)をさすが,せまい意味では,平安時代から室町(むろまち)時代にかけて書かれた文学の一形式をいう。物語発生の時代でもあった平安時代には『伊勢物語(いせものがたり)』『大和物語(やまとものがたり)』などの歌物語,『源氏物語(げんじものがたり)』『浜松中納言物語(はままつちゅうなごんものがたり)』などの長編(ちょうへん)物語,『堤中納言物語(つつみちゅうなごんものがたり)』のような短編(たんぺん)物語集など,多くの物語がのこされている。鎌倉(かまくら)・室町(むろまち)時代にかけては『今昔物語(こんじゃくものがたり)集(しゅう)』『宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)』などの説話(せつわ)物語,『栄花(えいが)(華)物語(ものがたり)』『大鏡(おおかがみ)』などの歴史(れきし)物語,『平家物語(へいけものがたり)』『太平記(たいへいき)』などの軍記物(ぐんきもの)がある。