(1885〜1942)明治時代から昭和時代前期の詩人・歌人。本名隆吉。福岡県柳川に生まれた。早稲田大学英文科を中退。同級に若山牧水らがいた。早くから雑誌『明星』『スバル』に新鮮な感覚の詩を発表した。1908(明治41)年,24歳のときに高村光太郎・木下杢太郎らと「パンの会」(美の追求をかかげた芸術家のグループ)をつくり,翌年,独特な異国情緒にあふれた詩集『邪宗門』を刊行して注目をあびた。歌集『桐の花』(1913年)も,官能的な感覚の歌で白秋の名を高めた。しかし,大正時代に入ると作風をかえ,自然の生命をしみじみとうたう,閑寂な境地に向かった。◇故郷柳川をうたった詩集『思ひ出』や『水墨集』,歌集『雲母集』『白南風』などの作品もある。童謡・民謡,歌謡曲の作詞者としても親しまれている。「城ヶ島の雨」「からたちの花」などは有名。