障害者、高齢者、ひとり親、貧困などで生活に困っている人たちを手助けする地方公務員。
こんな人にピッタリ！
相談を受ける仕事なので、聞き上手で気さくな人。情報収集に走ったり関係者と話し合ったりする機会も多いので、積極性や行動力も求められる。
どんな仕事？
相談を受け、調査し、解決策を練り、それを実行する
ケースワーカーとは、それぞれの事例（ケース）に応じて働く人（ワーカー）という意味。その多くは都道府県や市町村など地方自治体の福祉課や福祉事務所の職員として働いている。相談に訪れた障害・高齢・ひとり親・貧困などさまざまな理由から生活に困っている人たちの話を聞き、一人ひとりのケースに合わせた解決策を考えて、必要な福祉サービスが受けられるように手助けする仕事だ。まず相談者の面接や家庭訪問で生活状態などを調べ、相談者の状態に応じて問題解決に必要な福祉サービスを考える。解決策を相談者に提案し、助言や指導をすることで相談者が生活を立て直せるように手助けするのだ。時には、手助けが必要と思われる人の情報を得たケースワーカーの方から出向くこともある。福祉や法律といった知識だけでなく、フットワークの軽さも必要だ。ちなみに、児童相談所で働くケースワーカーは「児童相談所相談員」。国公立の医療機関で働くケースワーカーは「医療ソーシャルワーカー」とも呼ばれる。生活に困っている人の手助けをする仕事を通して、大きな達成感とやりがいを得ることができるだろう。
これがポイント！
地方公務員の「社会福祉主事」に任命される
地方自治体でケースワーカーとして働くには、まず「地方公務員試験」に合格し、一般の行政職に採用されることを目指す。その後、福祉事務所・医療機関・児童相談所などに配属されるのだが、福祉事務所で働くには「社会福祉主事（社会福祉によって住民を手助けする職員のこと）」に任命されなくてはならない。そのためには「社会福祉主事任用資格」が必要だ。この資格は試験で取得するものではなく「①大学や短大で社会福祉に関する科目を学んで卒業する、②通信教育、③養成機関、④講習会を修める、⑤社会福祉士などの国家資格を取得する」という５つの方法から取得できる。任用資格取得者が社会福祉主事として福祉事務所に配属されることで、ケースワーカーとして働くことができるのだ。
ケースワーカーとソーシャルワーカーのちがい
ケースワーカーと混同されやすい社会福祉に関わる仕事にソーシャルワーカーがある。働く場所や対象とする相手によって呼び方が変わり、病院の患者を対象にする場合は「医療ソーシャルワーカー」、学校の児童や生徒を対象にする場合は「スクールソーシャルワーカー」と呼ばれる。さまざまな理由から生活が困難な人を福祉の専門知識を活かして手助けする仕事であることは、ケースワーカーもソーシャルワーカーも同じだ。単純に区別するならば、ケースワーカーは「福祉の相談に乗る公務員」で、ソーシャルワーカーは「公務員や民間の相談員もふくめた、福祉の相談に乗るすべての仕事」と理解すればいいだろう。
将来はこうなる
高齢者の急増で仕事が多様化、出番は増える
生活に困っている人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障して自立を助ける制度として「生活保護制度」がある。この制度を利用する人が増えていることから、担当するケースワーカーの仕事も増えている。また、利用者の高齢化などで相談内容やその解決策も複雑化している。ケースワーカーには、より幅広い専門知識と実行するための技術、熱意が求められている。福祉サービスを向上させるために、実力を持つケースワーカーの出番が増えていくことだろう。
データボックス
収入は？
平均年収は382～407万円。
休暇は？
公務員なので、土日・祝日は休み。ごくまれに相談者の都合で休日に仕事をしなければならないこともあるが、それはあくまでも例外。
職場は？
都道府県、市区町村といった地方自治体の役所の福祉課や福祉事務所。
なるためチャート
ケースワーカーの仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ！
