高市早苗さんが第104代首相に 女性の就任は日本初
新首相に選ばれ、記者会見する高市早苗さん=10月21日、首相官邸 ⓒ朝日新聞社
10月21日に開かれた臨時国会で、内閣総理大臣(首相)指名選挙が行われ、自由民主党(自民党)の総裁、高市早苗さんが第104代の首相に選ばれました。日本で初めての女性首相の誕生です。公明党が連立政権からぬけ、新たに生まれた自民党と日本維新の会との連立政権がスタートしました。
自民党と日本維新の会が連立
高市さんは21日夜、首相就任会見を開きました。まず、新しい内閣ができるまで時間がかかったことを謝りました。衆議院と参議院のどちらも少数与党という状況について「厳しく、また困難な船出」としました。
野党との連携については「基本政策で矛盾しない限り、原則として、政策提案を受け入れる方向で前向きに議論をしていきたい」と話しました。連携先として特定の政党の名前はあげませんでした。
その後、行政をになう閣僚(大臣)たちを集めて初の閣議を開き、物の値段が高いことなどに対応する経済対策をつくるよう指示しました。
少数与党のため決選投票
首相は国会議員の中から、衆議院と参議院での投票で選ばれます。二つの議院で指名された人がちがう場合、衆議院のほうを優先します。
選ばれるには、全議員の過半数(半分をこえる数)の票が必要です。465人いる衆議院の過半数は233。結果は、高市さんが237票をとって首相に指名されました。
248人いる参議院の過半数は125ですが、議長は投票しないというならわしがあるため124が過半数です。高市さんは123票で過半数に満たなかったため、2番目に票を集めた立憲民主党の代表、野田佳彦さんと決選投票に。その結果、高市さんが125票をとって首相に選ばれました。
現在、自民党の議席の数は衆議院も参議院も過半数を満たしていません。また今月10日には、1999年から26年間にわたって連立してきた公明党が政権からぬけることに。そのため、高市さんが首相に選ばれるのか注目されていました。
首相指名選挙の前日の20日、高市さんは大阪府知事で日本維新の会代表の吉村洋文さんと話し合いました。そこで自民党と日本維新の会が連立して政権をになうことに正式に合意。高市さんが新しい首相に選ばれることが確実となりました。
新首相ってこんな人

1961年生まれ、奈良県出身。衆議院奈良2区選出。当選10回。沖縄・北方担当大臣、総務大臣などを務めた。今月4日、自民党で女性初の総裁に。目標とする政治家は、イギリス初の女性首相となり、「鉄の女」とも呼ばれたマーガレット・サッチャーさん。
授業や教科書では

国の政治を動かす国会の役割
6年の社会で「国会の働き」を学びます。国会は、衆議院と参議院の二つからなります。法律をつくる、国のお金の使い道(予算)を決める、などが主な仕事です。内閣のリーダーである内閣総理大臣は、国会で指名されます。
中学の公民ではさらにくわしく取り上げます。話し合いの中心は毎年1月に召集される「常会」(通常国会)です。必要に応じて開かれるのが「臨時会」(臨時国会)。衆議院を解散し、衆議院議員をすべて選び直す総選挙が行われた後に開かれるのが「特別会」(特別国会)です。
(朝日小学生新聞2025年10月23日付)









