かのうほうがい【狩野芳崖】 (1828〜1888)明治(めいじ)期の日本画家。長門(ながと)国(山口(やまぐち)県)の生まれ。19歳(さい)のとき江戸(えど)(東京(とうきょう))に出て,狩野雅信(かのうまさのぶ)について絵を学んだ。のち,アメリカ人フェノロサによって才能(さいのう)をみとめられ,岡倉天心(おかくらてんしん)・橋本雅邦(はしもとがほう)らと日本画の再興(さいこう)につくし,狩野派(かのうは)のきびしい筆法(ひっぽう)に西洋画の豊(ゆた)かな色彩(しきさい)をとり入れた新感覚(かんかく)の日本画の傑作(けっさく)をのこした。代表作は「悲母観音(ひぼかんのん)図」「鷲(わし)図」「不動明王(ふどうみょうおう)」など。