県名の由来
愛知は「あゆち」という古い言葉からきている。「海のかなたから幸せを運んでくる風」のことともいうが,はっきりしない。県名は古くからの郡名からとった。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
伝統工芸
○有松・鳴海絞 ○赤津焼 ○常滑焼 ○名古屋仏壇 ○三河仏壇 ○豊橋筆
祭り
○国府宮はだか祭(稲沢市,旧暦正月13日) ○花祭り(豊橋市,1月4日)
位置・地形・気候
愛知県は,中部地方の南西部に位置し,太平洋に面している。
北東部には美濃三河高原が広がり,南西部には,木曽川などによってつくられた濃尾平野,矢作川が流れる岡崎平野,豊川が流れる豊橋平野がある。海岸部には,知多湾・渥美湾をかこむように知多半島が南に,渥美半島が西につきでている。
気候は,夏に降水量が多く,冬に晴天がつづく太平洋側の気候で,黒潮の影響を受けて,冬もわりあいあたたかい。
歴史
むかしは県の西部を尾張国,東部を三河国といった。肥沃な地で,畿内と関東をむすぶ交通の要地でもあったので,古くからさかえた。とくに戦国時代は歴史の中心舞台となり,今川氏・織田氏・徳川氏などが覇権をあらそった。
江戸時代には,尾張は徳川御三家の1つ,尾張徳川家のおさめる尾張藩となり,名古屋が城下町として大きく発展した。三河は,徳川家康*の出身地でもあった関係で,譜代大名や旗本の領地となった。
明治になって,尾張2県,三河10県ができ,その後,尾張は名古屋県,三河は額田県となったが,さらに1872(明治5)年に統合されて,現在の愛知県が成立した。
産業
愛知県の農業は,愛知用水・明治用水・豊川用水にささえられて発展してきた。農業生産額は全国第7位(2009年)で,野菜や花などを中心とした,近郊農業がたいへんさかんである。野菜は,キャベツ・ハクサイ・タマネギ・トマト・ブロッコリーなどが全国1〜5位の生産をあげ,そのほか,ホウレンソウ・ネギ・ナスなどの生産も多い。花も,バラ・キク・カーネーション・ガーベラなどが全国1〜4位である(2010年)。とくに渥美半島の温室メロンや電照ギク(電照栽培)は有名である。酪農や養鶏もさかんに行われている。
愛知県は中京工業地帯の中心で,工業生産額は全国第1位である(2009年)。豊田市の自動車を第一に,小牧市や名古屋市の航空機,東海市<の鉄鋼,安城市・刈谷市・豊橋市・豊川市などの機械や金属工業など,重工業が中心となっている。ほかに,一宮市・津島市・岡崎市>などでは繊維工業,瀬戸市や常滑市ではよう業がさかんである。
中部地方の中心都市名古屋
名古屋市*の人口は約218万人(2012年),周囲に多くの衛星都市をもつ,中部地方最大の都市である。東京と阪神の中間に位置し,鉄道や高速道路をはじめ,交通網は四方に発達している。国の役所・企業・銀行,商業施設,大学や美術館などの教育・文化施設なども集まっており,名古屋市は中部地方の政治・経済・文化の中心地となっている。
名古屋市への通勤・通学者のほとんどは,名古屋市の都心を中心とした半径40kmの範囲に住んでいる。この範囲が名古屋大都市圏であり,せまい意味での中京圏とされる。このなかには,愛知・三重・岐阜3県の主要都市がふくまれ,その人口は約840万人にのぼる(2010年)。
一方,名古屋の卸売業の商圏はもっと広く,愛知・岐阜・三重の3県と長野県南部,さらに福井・石川・富山の北陸3県にまでおよんでいる。これが広い意味での中京圏で,京浜・阪神の2大経済圏と競いあう大経済圏となっている。