県の由来
『日本書紀』に阿倍比羅夫という武将が水軍を率いて齶田の蝦夷とたたかったと記されており,古代から「あきた」の地名があったことがわかる。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸〕
○樺細工 ○川連漆器 ○大館曲げわっぱ ○秋田杉桶樽
〔祭り〕
かまくら(横手市,2月15〜16日) ○竿灯(秋田市,8月3〜6日)
位置・地形・気候
秋田県は東北地方の北西部に位置している。西は日本海に面し,東部には奥羽山脈,中央部には出羽山地が南北に走る。奥羽山脈から流れ出る米代川は中流に大館盆地や鷹巣盆地,下流に能代平野をつくり,雄物川は上流に横手盆地,下流に秋田平野をつくって,日本海に注いでいる。この2つの平野の間には男鹿半島が日本海につきでており,半島のつけ根に八郎潟の干拓地がある。
気候は,冬に雪の多い日本海側の気候で,とくに内陸部は寒さがきびしく,日本有数の豪雪地帯となっている。しかし,夏は比較的気温が高く,晴れの日も多い。
歴史
昔の出羽国の北部にあたる。古くはアイヌ民族の居住地だったが,7世紀中ごろの阿倍比羅夫の遠征を経て出羽国がおかれた。平安時代後期以降,清原氏,奥州藤原氏,安達氏などが支配,室町時代以降は安東(秋田)氏が支配した。
江戸時代には,外様大名佐竹氏の秋田藩となり,新田や院内銀山の開発が進められ,秋田スギなどの森林の保護・育成も行われた。
明治時代になって,秋田藩を中心に秋田県が成立,秋田スギを中心とした林業や,小坂・花岡鉱山などの鉱業が大きく発展した。
産業
代表的な水田単作地帯の1つであり,米の生産額は農業生産額の約3分の2をしめている。米の生産量は全国3位で(2010年),10aあたりの収量も多い。そのほか,リンゴや西洋ナシなどの果樹栽培もさかんである。日本で2番めに大きい湖だった八郎潟を干拓して生まれた大潟村では,米を中心に,ダイズ・小麦などが大規模に栽培されている。
林業がさかんで,木材生産量は全国4位である(2010年)。
かつてさかえた鉱山はほとんどが閉山した。沿岸部の油田で,産出量は少ないが,石油や天然ガスが産出される。
工業はあまりさかんでなかったが,近年,秋田市を中心にICなどの先端工業の進出が目だっている。秋田市周辺では,電子・化学・木材・製紙工業などが,能代市・大館市などでは木材工業がさかんである。由利本荘市など県の南部にも電子機器関連の工場が多く進出している。
秋田米と秋田スギ
秋田は,冬は寒く,積雪も多いが,田植え期の初夏から稲が熟する秋にかけては日照が多い。また,気温も7,8月は比較的高温で,風水害も少ない。このような好条件によって,秋田は有数の米どころとなった。
品種改良や水管理の改善などによって,10aあたりの収量も,1976年に1位となって以来,全国上位にある。とくに1984年につくりだされた「あきたこまち」は消費者の人気が高く,いまでは,秋田県の作付面積の80%をこえている。
木曽ヒノキ・青森ヒバとならんで,日本3大美林の1つとされる秋田スギの天然林は,おもに米代川流域に分布している。この天然林は,江戸時代に秋田藩が「国の宝は山である。山のおとろえは国のおとろえである。」として伐採を制限し,保護したことによって,守られてきた。しかし,第二次世界大戦中と高度成長期の大量伐採によって天然林は激減した。
現在,秋田県の森林は県面積の72%をしめている。現在は天然林は保護され,明治以後に植林された人工林が伐採されている。