(1892〜1927)大正時代の小説家。東京に生まれる。東京帝国大学(今の東京大学)在学中から久米正雄・菊池寛らと雑誌第三次『新思潮』を創刊するなど活躍した。1916(大正5)年に発表した小説『鼻』によって夏目漱石にみとめられ,以後,古典に題材をとった『芋粥』『地獄変』などを発表した。読書家で,ゆたかな学識をもった文章にはむだがなく,理知の作家といわれる。晩年はひどい神経衰弱症にかかり自殺した。ほかに『羅生門』『河童』『蜘蛛の糸』『トロッコ』などの作品がある。◇死後,かれを記念して芥川賞がもうけられた。