東半球の西部,赤道を中心にして南・北両半球にまたがる大陸と周辺の島々からなり,6大州のうち面積がアジアについで第2の州。大部分の地域は熱帯と乾燥帯で,人口分布のかたよりが大きい。50余か国を数えるが,ほとんどが第二次世界大戦後に独立した新興国である。
あゆみ
北東部のナイル川流域には世界最古の文明がさかえ,サハラ砂漠以南の内陸では8世紀ごろから王国が興亡した。15世紀以後,ヨーロッパ人が進出し,西アフリカのギニア湾岸では奴隷・金・象牙・香料などが取り引きされた。とくに奴隷貿易は,数千万人ともいわれる黒人を新大陸につれさり,アフリカを荒廃させた。19世紀には内陸の探検が進んでアフリカへの関心が高まり,20世紀のはじめまでにほぼ全域がヨーロッパ諸国の植民地となった。第二次世界大戦後,民族運動が高まり,つぎつぎと独立国が誕生して国の近代化に取り組んでいる。
多様な人々と社会
サハラ砂漠の北側は,アラブ民族の住む地域であるが,サハラ砂漠から南の地域は先住民中心である。
産業のようす
産業の中心は農牧業であるが,おもな農業地域は,ナイル川下流域の米・小麦・綿花,地中海沿岸の果樹,ギニア湾岸のカカオ・ラッカセイ栽培程度であり,小規模な自給農業や遊牧をいとなむ人々が多い。地下資源は,金・ダイヤモンド・リン鉱石・銅・ウラニウム・クロム・マンガン・石油など,世界的な地位をしめる産物が多いが,大部分は原鉱のまま輸出されている。近代工業は未発達。
コーチ
最近は,各地で発生している日照りや虫害・内乱,それにはげしい人口増加とが相まって,飢餓が大きな課題となっている。