水滴が地上に落ちてくる現象,または落ちてくる水滴。直径は0.1〜4mm程度であるが,ふつうの雨は1〜2mm程度である。雨は,次のようなしくみでふると考えられている。
氷晶説
厚い雲の中の0℃以下の層では,過冷却の水滴(0℃以下でもこおらない水滴)と氷晶(氷の粒)とがまじっている。過冷却の水滴からは蒸発がおこり,その水蒸気が氷晶を成長させる。成長した氷晶は,上昇する大気の力でささえきれなくなって落ちてくるが,途中でまわりの水滴と衝突して大きくなる。大きくなった氷晶は0℃以上の層まで落ちてくると,とけて水滴となり,地上に落ちてくる。このような考え方を「氷晶説」または「冷たい雨」という。日本など中緯度や高緯度地方にふる雨は,この考え方で説明されている。
併合説
熱帯地方などでは,氷晶のない水滴のみからなる厚い雲から雨がふることがある。雲の中では,水滴と水滴が衝突して大きな水滴になり,この水滴が落ちてくる途中でまわりの小さな水滴と衝突してさらに成長し,地上に落ちてくる。このような考え方を「併合説」または「暖かい雨」という。
コーチ
雨をもたらす雲は,おもに積乱雲と乱層雲である。