ありわらのなりひら【在原業平】 (825〜880)平安時代前期の歌人。在五中将(ざいごちゅうじょう)の名で知られ,六歌仙(ろっかせん)(6人のすぐれた歌人)の1人。皇族(こうぞく)の出で,宮中に仕えて近衛中将(このえちゅうじょう)になったが,藤原氏(ふじわらし)とは相いれず,政治的(せいじてき)には不遇(ふぐう)であった。美男として知られ,多くの女性(じょせい)との恋愛(れんあい)を情熱的(じょうねつてき)によんだ歌が『古今和歌集(こきんわかしゅう)』にのせられている。◇『伊勢物語(いせものがたり)』は,業平(なりひら)を主人公にしたものといわれている。「名にしをは(おわ)ばいざこと問はむ都鳥(わんみやこどり) わが思ふ(う)人はありやなしやと」は『古今和歌集(こきんわかしゅう)』にある歌。