あんやこうろ【暗夜行路】 志賀直哉(しがなおや)の唯一(ゆいいつ)の長編小説(ちょうへんしょうせつ)。1921(大正10)年より1937(昭和12)年まで,16年をかけて断続的(だんぞくてき)に雑誌(ざっし)『改造(かいぞう)』に連載(れんさい)された。出生の秘密(ひみつ)にからまる暗い運命と妻(つま)の過失(かしつ)を意志的(いしてき)に乗りこえようとする主人公時任謙作(ときとうけんさく)の孤独(こどく)な姿(すがた)を追求(ついきゅう)した近代日本文学の傑作(けっさく)。◇作者の自叙伝的(じじょでんてき)な要素(ようそ)がふくまれている。