(1926〜2011)昭和・平成時代の評論家,小説家。本名飯田桃。東京都生まれ。東京府立一中,一高,東大法学部首席卒業,日本銀行入行とエリートの道を歩むが,結核のため退職。茨城県で療養生活を送るうち,日本共産党に入党,社会運動・農民運動に参加する。1961(昭和36)年,『斥候(ものみ)よ,夜はなお長きや』を発表,以降さかんな著述活動に入る。共産党除名後,新左翼・多元的共産主義の立場から,ベ平連,思想の科学研究会,共産主義労働者党などのさまざまな活動に関わるが,70年代からは評論・著述活動が中心になる。政治問題・社会問題・思想について,80歳をこえたあともおうせいな発言を行っていた。代表的な著書に『帰ってきた鞍馬天狗』『〈主体〉の世界遍歴』などがある。