(紀元前4ころ〜後30?)キリスト教を開いた人。イエスは名,キリストは救世主の意味で,ともにギリシャ語。
ユダヤ教の批判
北パレスチナのガリラヤ地方のナザレという村の,大工ヨゼフと妻マリアの子として生まれた。30歳のころ家を出,ヨルダン川のほとりでヨハネから洗礼を受けた。このあと,イエスは,この世の終わりと神の国の到来は近い,罪をくい改めて神の教え(福音)にしたがえと説き,当時のユダヤ教のありかたをきびしく批判して,人々の心を動かした。
刑死とキリスト教の成立
やがてイエスは,12人の弟子とともに,宗教と政治の中心地エルサレムに入った。ユダヤ教の指導者らは,イエスをにくみおそれて,支配者ローマに対する反逆の罪をきせた。そのためイエスは,ゴルゴダの丘で十字架にかけられた。弟子たちは,イエスがその死の3日後によみがえったと知り,イエスこそ神の子であり救世主(メシア,キリスト)と信じて,その教えを熱心に広め,キリスト教が成立した。⇒キリスト教