(1918〜2010)昭和・平成時代の俳優,エッセイスト。東京都生まれ。父は当時の有名漫画家の池部鈞。映画監督を志望し,大学在学中の1940(昭和15)年,東宝撮影所のシナリオ研究所に入所,東宝入社後,助監督のあきがなく,撮影中の映画に脇役で出演したことが俳優デビューとなる。第二次世界大戦で出征,復員後,俳優に復帰。長身の二枚目,都会的・知的な役柄で,青春映画・文芸映画の主役スターとなった。当時の代表作は『青い山脈』(1949年),『現代人』(52年)など。60年代からは重厚な役柄の脇役に転じ,60〜70年代に人気を博した東映「昭和残侠伝」のシリーズを支えた。1991(平成3)年に刊行されたエッセイ集『そよ風ときにはつむじ風』が高い評価を受け,以後は文筆活動・講演活動が仕事の中心になった。