県名の由来:石川は,文字どおり石の多い川の意味で,古くからの石川郡美川町(今の白山市)に県庁がおかれたことから県名となった。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸〕
○加賀友禅 ○九谷焼 ○金沢箔 ○輪島塗 ○山中漆器 ○金沢漆器 ○金沢仏壇 ○七尾仏壇
〔祭り〕
○青柏祭(七尾市,5月3日〜5日)
位置・地形・気候
石川県は,中部地方の北西部に位置する。南北に細長い形をしており,能登半島が日本海に大きくつきでている。
県のほぼ北半分を能登地方,南半分を加賀地方といい,能登地方は低い丘陵状の山々がつづく。一方,加賀地方は,東側に白山を主峰とする両白山地がそびえ,山地からは犀川や手取川が日本海に流れ出して海岸地域に金沢平野をつくっている。
海岸線も能登と加賀ではちがい,能登地方が出入りのはげしいリアス海岸であるのに対して,加賀地方の海岸はゆるやかで,砂丘が発達している。
気候は,冬の日照時間が少なく,積雪の多い典型的な日本海側の気候である。また,春から夏にかけては,フェーン現象がしばしばおこる。
歴史
むかしは能登国と加賀国に分かれていた。室町時代,加賀国は富樫氏が守護だったが,一向一揆の農民軍によって1488年にほろぼされた。加賀は,その後約100年間,農民たちの自治がつづき,「百姓のもちたる国」とよばれた。江戸時代には,能登・加賀・越中(富山県)の3国が前田氏の金沢藩となった。
明治になって,七尾県と金沢県ができ,のち石川県に統合された。そのとき富山県も併合したが,1883(明治16)年にまた分離して,現在の石川県が成立した。
産業
冬の積雪が多いので,農業は稲作中心であり,耕地にしめる水田の割合は約73%(2009年),米の生産額割合は農業全体の約55%となっている(2009年)。秋に晴天の日が少ないこともあって,晴天のつづく夏のうちに収穫して乾燥させる,早場米の産地である。砂丘地や丘陵地では,野菜や果樹栽培が行われている。
水産業は,能登半島の七尾・輪島両港を中心に沿岸・沖合い漁業がさかんで,イワシ・アジ・サバ・ブリなどが水揚げされる。七尾湾では,ノリ・カキの養殖もさかんである。
工業の中心は繊維工業と機械工業で,繊維工業の生産額は全国第5位である(2009年)。繊維工業は金沢市や小松市で,機械工業は小松市周辺で,繊維・建設・輸送用機器の生産が多い。
史跡に富み,金沢市を中心に観光業もさかんである。
さかんな伝統工業
石川県は伝統工業のさかんな県である。輪島塗・山中漆器・金沢漆器・金沢仏壇・九谷焼・金箔などの金属箔・加賀象嵌・加賀友禅など,その種類もたいへん多い。
石川県でこのように伝統工業がさかんなのは,江戸時代に金沢藩がこれらの伝統工芸を保護・奨励したことに由来する。
美しくてじょうぶな漆器として有名な輪島塗は,輪島市を中心につくられている。輪島市で漆器づくりがさかんになったのは,木地になるケヤキなどの木や漆にめぐまれたこと,晴天の少ない湿度の高い気候が合ったこと,近くで産出する珪藻土をむし焼きにしてくだいた「地の粉」をまぜて,漆を塗り重ねる方法が発見されたことなどによる。輪島塗の作業工程は20以上もあり,専門の職人の手を次々にわたりながらつくられていく。輪島塗をはじめとする漆器の食器の生産は石川県が全国2位である(2009年)。
九谷焼は金沢市や能美市寺井町でつくられている。佐賀県の有田焼の製法がつたわって発展したといわれ,五彩(緑・黄・赤・紫・紺青)のあざやかな色使いが特徴である。