いしかわのいらつめ【石川郎女】 (生没年不詳(せいぼつねんふしょう))万葉(まんよう)時代の歌人。天武天皇(てんむてんのう)から持統天皇(じとうてんのう)の代にかけて宮廷(きゅうてい)に仕えたとも,大津皇子(おおつのみこ)の侍女(じじょ)であったともつたえられるが,系譜(けいふ)・経歴(けいれき)ともはっきりしない。歌風は,機知(きち)にとみ,才気にあふれていて,大津皇子(おおつのみこ)に送った次の歌は有名。「吾(われ)を待つと君が濡(ぬ)れけむあしびきの 山の雫(しずく)にならましものを」