西アジアにあるユダヤ人の国。政体は共和政で,元首は大統領。首都エルサレム(国際的にはみとめられていない)。面積:2.2万km2,人口:742万。
あゆみ
ユダヤ人の国は,紀元前1000年ごろにさかえたが,のち滅亡してユダヤ人は世界各地へ離散した。第一次世界大戦後,ユダヤ人の間で故郷を回復する運動(シオニズム)がさかんになり,1948年にアラブ諸国の反対をおしきって建国。アラブ諸国と対立し,1973年までに4次にわたる中東戦争がおこった。1993年にはパレスチナ国家の樹立をめざすアラブ人の政治組織PLO(パレスチナ解放機構)との間でパレスチナ暫定自治に合意。しかし,その後の政権交代などで和平の道筋はくずれ,2000年秋以降イスラエル治安部隊とパレスチナ住民との武力衝突が繰り返されている。
自然・産業
西部から海岸平野,高原,ヨルダンの谷(地溝帯)が縦じま状にならぶ。海岸平野は雨が多く,土地も肥よくで,穀類・果実などを栽培する農業地帯であるが,内陸は乾燥地帯。農村の一部はキブツ(集団農場)で,農業開拓の役割をはたしてきた。ハイファの石油精製,死海のカリ塩工業など工業化がさかんで,ダイヤモンド加工が有名。イラク戦争後は,情報通信などのハイテク産業もさかん。
国名の由来
ヘブライ語で「神と競った者」「神の戦士」の意で,「旧約聖書」の記述による。
国旗の由来
青と白はユダヤ教の祈とう者の肩かけ(タリート)で,ユダヤ民族の色。星は古代イスラエルのダビデ王の盾で,ユダヤ民族のシンボル。