イスラムげんりしゅぎ【イスラム原理主義】

原理主義(げんりしゅぎ）という用語(ようご）は，元来(がんらい）キリスト教独自(きょうどくじ）のものであったが，1980年代(だい），イラン革命(かくめい）によるイスラム復興(ふっこう）や急進派(きゅうしんは）の活動等(かつどうなど）を総称(そうしょう）して使(つか）われ始(はじ）めた。理念(りねん）としては，イスラム教(きょう）の原点(げんてん）に立(た）ちかえって，国家(こっか）・社会(しゃかい）の建設(けんせつ）をはかろうとする政治運動(せいじうんどう）やイデオロギーである。イラン革命後(かくめいご）に台頭(たいとう）したこの動きは，中近東(ちゅうきんとう）諸国(しょこく）へ広(ひろ）がり，イスラム教徒(きょうと）の自己意識(じこいしき）の基本(きほん）を形成(けいせい）するものとなっている。最近(さいきん）は，政治(せいじ）の民主化(みんしゅか），先端科学(せんたんかがく）・技術(ぎじゅつ）の導入(どうにゅう），女性(じょせい）の社会進出(しゃかいしんしゅつ）など，近代化(きんだいか）を目指(めざ）す活動(かつどう）をさす広義(こうぎ）の意味(いみ）で用(もち）いられるが，狭義(きょうぎ）には，戦闘的(せんとうてき）な急進派(きゅうしんは）や過激派(かげきは）をさして使(つか）う場合(ばあい）も少(すく）なくない。