いっぺん【一遍】 (1239〜1289)鎌倉(かまくら)時代の僧(そう)。時宗(じしゅう)の開祖(かいそ)。伊予(いよ)国(愛媛(えひめ)県)の武士(ぶし)河野通広(こうのみちひろ)の子。10歳(さい)で出家し,35歳(さい)のころ,熊野権現(くまのごんげん)にこもって悟(さと)りを開いた。こうして時宗(じしゅう)を始めた一遍(いっぺん)は諸国(しょこく)をめぐり歩いて,念仏(ねんぶつ)に合わせておどる「踊(おど)り念仏(ねんぶつ)」をすすめて教えを広めた。そのため,遊行上人(ゆぎょうしょうにん)ともよばれる。 一遍上人絵伝(いっぺんしょうにんえでん) 一遍(いっぺん)の生涯(しょうがい)をえがいた鎌倉(かまくら)時代後期の絵巻物(えまきもの)。その遍歴(へんれき)の旅における全国各地(かくち)の風景(ふうけい)・社寺,庶民(しょみん)生活などが生き生きと描写(びょうしゃ)されている