2003年,アメリカ・イギリスを中心とする多国籍軍とイラクとの間で行われた戦争。イラクのサダム=フセイン政権が核兵器などの大量破壊兵器を開発している疑惑をもたれ,その破棄を求めたアメリカと対立したことを主な原因としている。アメリカはイラクへの武力行使を主張したが,ドイツ・フランス・ロシア・中国などが反対する姿勢をみせたため,国連の決議のないまま2003年3月,首都バグダッドを爆撃。アメリカ軍は地上部隊を投入し,同年4月にバクダッドが事実上陥落。フセイン大統領が逃亡し,フセイン政権は崩壊した。その後,アメリカを主体とする連合暫定施政当局(CPA)による統治を経て,2006年にはイラク人による正式な政府が発足した。その間,日本の自衛隊も給水活動や道路の建設などにあたった(2009年に撤収)。2008年にアメリカのオバマ大統領が戦争終結を宣言,2011年末に撤退を完了した。◇のちに,イラクには大量破壊兵器がなかったことが判明した。