いんきょ【殷墟】 河南省(ホーナンしょう)安陽(アンヤン)市小屯(シャオトゥン)で発見された,中国古代の王朝である殷(いん)(紀元(きげん)前17世紀(せいき)〜前11世紀(せいき))の都・商(しょう)の遺跡(いせき)。1928年から行われた発掘調査(はっくつちょうさ)で,歴代(れきだい)の王の墓(はか)などの大規模(きぼ)な遺跡(いせき)が発見され,今までは伝説(でんせつ)と思われていた殷(いん)の実在(じつざい)が証明(しょうめい)された。殷墟(いんきょ)から出土された甲骨(こうこつ)文字は,漢字の原型(げんけい)にあたる。また,複雑(ふくざつ)な細工をほどこされた青銅器(せいどうき)・玉器(ぎょっき)・象牙製品(ぞうげせいひん)なども出土され,殷(いん)の王の権力(けんりょく)・財力(ざいりょく)がいかに大きかったかが示(しめ)されている。