ウィルソンのきりばこ【ウィルソンの霧箱】 荷電粒子(りゅうし)を検出(けんしゅつ)・観測(かんそく)するための装置(そうち)で,アルゴンや飽和(ほうわ)状態(じょうたい)のアルコール蒸気(じょうき)などをガラス箱にとじこめたもの。箱の体積(たいせき)を急に大きくすると,内部のアルコール蒸気(じょうき)はひやされて霧(きり)の粒(つぶ)になりやすくなる。そのとき,箱の中を宇宙線(うちゅうせん)やγ(ガンマ)線などが貫通(かんつう)すると,それらの通り道でつくられる正,負イオンが種(たね)になって,アルコールの霧(きり)の粒(つぶ)が通り道にそってできるので飛跡(ひせき)が見られる。◇宇宙線(うちゅうせん)や放射線(ほうしゃせん)の研究などに利用(りよう)されたが,現在(げんざい)では教育用以外(いがい)ほとんど使われていない。