うげつものがたり【雨月物語】 上田秋成(うえだあきなり)が1768年に完成(かんせい)し,1776年に刊行(かんこう)した読本(よみほん)。9つの短編(たんぺん)からできている。おもに中国の怪奇小説(かいきしょうせつ)や平安時代末期(まっき)の『今昔物語(こんじゃくものがたり)集(しゅう)』から材料(ざいりょう)をとったふしぎで,あやしい,ミステリーにみちた芸術性(げいじゅつせい)の高い物語集。『菊花(きくか)の約(ちぎり)』『浅茅(あさぢ)が宿(やど)』『蛇性(じゃせい)の婬(いん)』などはとくに有名。