外国,研究機関・民間企業の人工衛星を,金銭でうけおってロケットで打ち上げること。現在,人工衛星を打ち上げるロケット技術のあるのは世界で8か国と欧州宇宙機関だが,それ以外の国の場合,または自国のロケットより信頼性や経済性が高いか時間的な制約がある場合には,依頼して人工衛星を打ち上げてもらうことになる。2012年現在,各国の衛星打ち上げ用ロケットとその打ち上げコスト(製造費と打ち上げ費)は,欧州宇宙機関のアリアン5ロケットで80億円,ロシアのプロトンロケット68億円,アメリカのデルタ4ロケット(休止中),中国の長征3ロケット56億円,日本のH-ⅡAロケットが90億円など。なかでもアリアン5ロケットは信頼性の高さと静止軌道投入能力(衛星搭載能力)がH-ⅡAロケットの2倍とあって(2機打ち上げればコストは2分の1になる),世界の人工衛星打ち上げの50%以上のシェアをほこっている。◇2012年5月,日本のH-ⅡAロケット(三菱重工業製造・打ち上げ,JAXA管制)が,日本の観測衛星とともに韓国の実用衛星の打ち上げ・軌道投入に成功,初の外国からの受注打ち上げとなった。しかし,今後の受注には高い打ち上げコストが壁となっている。⇒H-Ⅱロケット