仕事をすることができる能力のこと。エネルギーの量はどれだけ仕事ができるかで表し,単位はジュール(J)。たとえば,まいたぜんまいじかけのおもちゃの,まいたぜんまいは,おもちゃを動かすことができる。また,ダムの水は,発電機の水車をまわすことができる。このように,まいたぜんまいやダムの水は,他の物体にはたらきかけ,変化をあたえる能力,すなわちエネルギーをもっている。すべてのエネルギーは,たがいに移りかわることができる。たとえば,太陽の放射による熱エネルギーで水は蒸発し,それが雨となってふり,水の位置エネルギーとしてダムにたくわえられ,さらに発電機によって電気のエネルギーに変換される。変換されたエネルギーとしてもっとも利用されている電気エネルギーは,家庭や工場で光や熱や運動エネルギーとなり,けい光灯や電球の照明に,トースターやヒーターなどの熱源に,また,新幹線や電車の動力として利用されている。
エネルギーの種類
エネルギーの種類には,高い所などにある物体がもつ位置エネルギー,運動する物体がもつ運動エネルギー,化学変化により得られる化学エネルギー,高温の物体がもつ熱エネルギー,光のもつ光エネルギー,帯電した物体や電流がもつ電気エネルギー,放射性物質のウランが核分裂するときや水素が核融合するときに発生させる原子力エネルギーなどがある。
新しいエネルギー開発
人類が産業革命後から大量に利用してきたおもなエネルギー資源には,石油・石炭・天然ガスなどがあるが,これらの資源は化石燃料とよばれ,その量にかぎりがあることが明らかになっている。このままのペースで消費を続けると石油は約46年,石炭は約119年,天然ガスは約63年ほどで採りつくされてしまう(BP/statistical Review of World Energy 2010による)。そのため,枯渇することのない自然エネルギーや新エネルギーの開発と利用が急がれている。