県名の由来:『古事記』の国うみの神話にでてくる愛比売からとられた。明治になって県ができたときに,新しく命名された。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸〕
○砥部焼 ○大洲和紙
〔祭り〕
和霊神社祭り(宇和島市,7月23・24日)
位置・地形・気候
愛媛県は四国の北西部にあり,北は瀬戸内海,西は宇和海,豊後水道に面し,南は四国山地をへだてて高知県に接している。
県の面積の約90%は四国山地などの山地におおわれ,平野は瀬戸内海に面し新居浜,今治,松山にわずかに広がっている。四国山地は,西日本最高峰の石鎚山などのある東部はけわしく,南西部はゆるやかである。
吉野川の支流の銅山川の水は,四国山地をくりぬいたトンネルによって川之江(四国中央市)・新居浜地方の農業・工業用水に利用されている。
佐田岬から南の海岸は,出入りの多いリアス海岸である。瀬戸内海には,およそ200もの島がある。
気候は,海岸地域は温暖で晴れの日が多い瀬戸内の気候であるが,宇和島より南では雨が多く,山間部は冷涼で,四国では最も気温の低い地域である。
歴史
むかしは伊予国といった。平安時代の中ごろには,藤原純友が宇和海の日振島を拠点に反乱をおこした。鎌倉時代以降,佐々木氏・宇都宮氏・細川氏・河野氏などが守護として統治した。江戸時代には,松山藩(松平氏)・宇和島藩(伊達氏)など8藩がおかれた。
明治の廃藩置県によって,それらはそのまま県となったが,その後合併し,1873(明治6)年に現在の愛媛県が成立した。
産業
平地がわずかしかないため,水田よりも果樹園のほうが多い。そのほとんどはミカン園で,ミカン・イヨカン・夏ミカン・ハッサクなどの生産がさかんで,その生産量はいずれも全国で上位である。そのほかに,キウイフルーツ(全国1位)・クリ・ビワなどの生産も多い(2010年)。
水産業では,タイやエビの漁獲量が全国有数である。宇和海を中心に,養殖業がたいへんさかんで,タイやブリ類は全国有数の生産量をあげている(2009年)。また,真珠の養殖もさかんで,長崎県や三重県と生産量をあらそっている。
愛媛県は瀬戸内工業地域の一角をなし,四国を代表する工業県となっている。新居浜市には石油化学コンビナートがあり,西条市に電気機械,松山市に機械,四国中央市に製紙,今治市に繊維工業などがある。
日本一のミカン産地
愛媛県は,全国のミカン(温州ミカン)の栽培面積の約15%をしめる,日本有数のミカン生産県である。ミカンだけでなく,イヨカン・夏ミカン・ハッサク・ネーブルオレンジの栽培面積も1〜2位にある。
松山市以南の瀬戸内海の島々や,海に面した山の斜面は,ほとんどがミカン園になっている。ミカン類は,日あたりや水はけのよい土地をこのみ,冷気をきらうので,山の南斜面などでの栽培が適している。さらに,海に面した斜面は,海面からの日光の反射によって,ミカンの甘みがますといわれる。
かつては,そのほとんどが温州ミカン園だったが,生産過剰などから,イヨカンなどへの転換が進み,いまでは,ミカンは全体の約50%,イヨカン約40%,その他約10%となっている。生産量もほぼ同じ割合で,ミカンとイヨカンの生産量は全国有数である。近年は,かんづめ・ジュース・ゼリーなどの加工品の生産もふえている。
出荷先は全国各地およぶが,関東地方がとくに多い。