●県名の由来
小さな岡の上に建てられた城を岡山城とよんだことにはじまる。廃藩置県のとき,江戸時代の岡山藩の名をそのままうけついで,岡山県となった。
●県庁所在地 岡山市
●県の面積 7113km2
●県の人口 195万人
●県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸〕 ○勝山竹細工 ○備前焼
〔祭り〕 ○西大寺会陽(岡山市,2月第3土曜)
●位置・地形・気候
岡山県は中国地方の南東部に位置する。南は瀬戸内海に面し,北は中国山地を境に鳥取県と接している。
中国山地の南側には,なだらかな吉備高原が広がり,山地と高原の間には津山盆地や勝山盆地がある。中国山地からは,吉井川・旭川・高梁川が平行して南へ流れ,下流には岡山平野が開けている。児島湾に面する一帯は,江戸時代からつくられてきた干拓地である。
県の面積の約85%は山地で,平地は約15%となっている。
気候は,瀬戸内海沿岸は,夏も冬も雨が少なくあたたかい瀬戸内の気候であるが,北部の盆地は寒暑の差の大きい内陸性の気候で,冬は雪がかなり積もる。
●歴史
海上交通の要路にあたっていた南部の地域は,古くから開け,巨大な古墳も多い。古代,この地方の吉備国は大和政権に対抗するほどだったが,やがて支配され,奈良時代には,備前・備中・備後(いまの広島県東部)・美作の4つの国に分けられた。
鎌倉時代以降,佐々木氏・赤松氏・山名氏・宇喜多氏などの統治を受け,江戸時代には,岡山・津山の二藩と多くの小藩がおかれた。やがて明治になって,岡山・津山・倉敷など,いくつもの県ができたが,順にまとめられて,1876(明治9)年に現在の岡山県が成立した。
●産業
岡山平野の南部では,広々とした児島湾干拓地を中心に,稲作とナス・セロリ・メロンなどの施設栽培がさかんである。米の裏作としてつくられる大麦の生産も多い。平野の北部から西部にかけては,モモ・ブドウなどの果物づくりがさかんで,なかでも,温室でしか栽培できないマスカットは,岡山県の生産量が全国の大半をしめている。
吉備高原では,タバコ・コンニャクイモなどが栽培され,蒜山高原では乳用牛,中国山地では肉用牛の飼育がさかんである。
岡山県南部の諸都市は瀬戸内工業地域の一部を構成しており,岡山県の工業生産額は広島県についで多い。とくに倉敷市の水島地区には,石油化学や鉄鋼・自動車などの大工場が集まっている。そのほか,玉野市の造船業,岡山市の農業機械,倉敷市の繊維工業などがある。
■発展した水島工業地域
倉敷市の南西部にある水島地区は,かつては半農半漁の村だったが,農業県から工業県への脱皮をめざして,1958(昭和33)年から進められた工業地域の建設によって大きく変貌した。
高梁川の河口に広がる遠浅の海を埋め立ててつくられた広い土地には,自動車・鉄鋼・石油化学・造船・食品などの大工場や火力発電所がならぶ。いくつもの石油化学工場は,石油精製工場を中心に,たがいにパイプを通して原料を供給しあいながら製品を生産するコンビナートを形成し,鉄鋼や食品も,大工場を中心に多くの関連工場のあるコンビナートとなっている。
水島は石油化学工業と鉄鋼業を中心にしてめざましく発展してきたが,近年日本の工業は加工度の高い電気・電子機器や自動車工業などが中心となってきており,水島でも自動車工業ののびがめだっている。
現在,水島地区は,岡山県の工業生産額の約40%をしめ,県の産業・経済をささえるとともに,瀬戸内工業地域の主要な工業地区の1つとなっている。