●県名の由来
最大の島である沖縄島からつけられた。沖縄の意味ははっきりしない。780年ごろの阿児奈波島が最初のよび名ともいわれている。
●県庁所在地 那覇市
●県の面積 2276km2
●県の人口 139万人
●県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸〕 ○久米島つむぎ ○読谷山花織 ○読谷山ミンサー ○壺屋焼 ○宮古上布 ○琉球がすり
〔祭り〕 ○ウンガミ(大宜味村,旧7月盆後の亥の日) ○イザイホー(南城市,午年の旧暦11月15日から4日間)
●位置・地形・気候
沖縄県は日本の最西端に位置し,九州南端から台湾にかけて弓なりにつらなる南西諸島の南半分の琉球諸島からなる。
琉球諸島は沖縄島を中心とする沖縄諸島,宮古島を中心とする宮古列島,石垣島・西表島を中心とする八重山列島などの60あまりの島々からなる。県の面積は47都道府県中44位であり,人口の90%以上が沖縄島に集中して住む。
気候は亜熱帯性で,夏は30℃をこえる日が6月から10月ごろまでつづく。冬も10℃以下になることは少なく,年平均気温は22〜23℃で,四季の変化ははっきりしない。梅雨は東京などより1か月は早い。
また,台風の通り道にあたるため,家々は,屋根を低くして屋根がわらをしっくいで固め,家の周囲を石垣や防風林で囲うなど,被害をふせぐくふうがされている。
●歴史
沖縄では,12世紀ごろから「按司」とよばれる豪族が各地にあらわれ,たがいに争うようになった。14世紀には,沖縄島に北山・中山・南山の3つの国ができ,15世紀中ごろ,中山王が沖縄を統一,琉球王国が成立した。琉球王国は,日本や中国,東南アジアと貿易を行ってさかえたが,17世紀初頭,薩摩藩に服属させられ,明治になって沖縄県となった。
太平洋戦争末期の1945(昭和20)年,沖縄は戦場となり,アメリカ軍に占領された。1972(昭和47)年にようやく日本に復帰したが,広大なアメリカ軍基地はそのままのこされた。
●産業
沖縄県にあるアメリカ軍基地の面積は,県の面積の約10%をしめる。沖縄島では島の面積の約20%がアメリカ軍の基地であり,沖縄の経済は基地にたよってきた。
農業は畑作が中心で,サトウキビとパイナップルの生産が主だったが,近年は,あたたかい気候を利用した,洋ラン・カスミソウなどの花や,サヤインゲン・スイカなどの野菜の生産がふえている。これらの花や野菜は高く売れる冬につくり,航空機で本土へ出荷する。
工業は,サトウキビを原料とする製糖,パイナップルのかんづめなどの食品加工,石油化学・セメント工業などが中心である。観光客の増加などにより,そめもの・織物・陶器などの伝統工芸品の生産もふえている。
■独自な伝統と文化をもつ沖縄県
沖縄は,日本で最も独自な文化をもっている。それらは琉球舞踊・琉球料理などのように,「琉球」の名をつけてよばれることが多く,琉球王国時代の長い歴史と,その風土のなかではぐくまれ,うけつがれてきた伝統的な文化である。
沖縄の人々の生活に深く根を下ろした三線(蛇皮線)の音楽や歌は独特の音階をもっている。また琉球舞踊は,宮廷で中国からの使者をもてなすために発達したもので,ゆっくりとした身ぶりの優雅な踊りである。琉球王国の王城だった首里城跡に再建された守礼門は琉球建築の技法や様式を見せている。そのほか,紅型とよばれるそめもの,芭蕉布・琉球がすり・久米島つむぎなどの織物,陶器などの伝統工芸品,豚肉をおもな食材とする琉球料理など,その独自の伝統文化は数多い。
このような伝統文化にくわえて,島々をとりかこむサンゴ礁の海をはじめとする亜熱帯の美しい自然は,本土から多くの観光客をひきつけ,近年,沖縄では観光業が大きく発展した。いまでは,沖縄県の観光収入は,県内総生産の約10%をしめている。