おりくちしのぶ【折口信夫】 (1887〜1953)大正・昭和時代の国文学者・民俗(みんぞく)学者・歌人。歌人としての筆名は,釈迢空(しゃくちょうくう)。大阪(おおさか)に生まれる。中学在学(ざいがく)中から日本の古典(こてん)を愛読(あいどく)し,大学を卒業(そつぎょう)したあと,民俗調査(みんぞくちょうさ)によって日本の古典(こてん)をときあかすという「折口(おりくち)学」をうちだし,国文学の世界に新風をふきこんだ。歌人としては,はじめ正岡子規(まさおかしき)の流れをくむ『アララギ』の同人となったが,のちに人間の孤独(こどく)感をうたいあげる独自(どくじ)の歌風を開いた。おもな著書(ちょしょ)に,歌集『海やまのあひ(い)だ』『遠やまひ(び)こ』,小説(しょうせつ)『死者の書』,民俗学(みんぞくがく)書『古代研究』などがある。