暖気団のほうから寒気団のほうに移動する前線。暖気(あたたかい空気)が寒気(つめたい空気)の上にゆるやかな角度ではい上がっていくので,前線面にそって比較的おだやかな上昇気流が生じ,広い範囲にわたって層状の雲ができる。温暖前線が近づくと,1000kmくらい前方(福岡と東京の距離程度)にまず巻雲があらわれ,それから巻層雲が空をおおい,やがて雲がだんだん厚くなり,最後に乱層雲があらわれ,雨がふり出す。雨のふる範囲は広い(温暖前線の前方約300kmの範囲)が,しとしととふりつづく弱い雨である。◇温暖前線が通過すると,暖気の範囲に入るので,雨はやみ,晴れ間が広がり,気温が上がって湿度が下がることが多い。風は南風または南東風から南西風または西風にかわることが多い。