かいちょうおん【海潮音】 上田敏(うえだびん)の訳詩集(やくししゅう)。1905(明治(めいじ)38)年刊(かん)。イギリス・フランス・ドイツなどの詩人29人の詩57編(へん)がおさめられている。なかでも,ベルレーヌ,マラルメなどフランス象徴派(しょうちょうは)の詩人の訳詩(やくし)は,日本の象徴(しょうちょう)詩運動の先がけとなった。『海潮音(かいちょうおん)』にはブラウニングの『春の朝(あした)』やブッセの『山のあなた』などもおさめられている。 コーチ なかでも,ベルレーヌの『落葉』(「秋の日の/ヰ(ビ)゛オロンの/ためいきの/身にしみて/ひたぶるに/うら悲し…」)は名訳(めいやく)として有名。