日本の月探査衛星。「かぐや」は『竹取物語』のかぐや姫にちなんだ愛称で,正式名称はセレーネ(SELENE)。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2007(平成19)年9月に打ち上げ,12月から観測を開始。重量は約2.9tで,NASAのアポロ計画以降では最大の月周回衛星である。月面高度約100kmを南北に周回し,月面の地形や鉱物資源の分布などを観測した。約50kgの2つの子衛星を分離し,「かぐや」本体が月の裏側にいるときの通信の中継,重力場の観測も行った。約1年半,さまざまなデータを集め,ハイビジョンによる鮮明な映像を地球に送信して,2009年6月に任務を終了,月面に落下した。収集したぼう大なデータをもとに世界初の月全体の高精度地形図を作成した。