県名の由来
桜島の噴火に関係があるという説があるが,はっきりしない。県名は,島津氏がおさめていた中心地の鹿児島郡からとったものである
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
伝統工芸品
○本場大島つむぎ ○川辺仏壇
祭り
○弥五郎どん祭(曽於市,11月3日)
位置・地形・気候
鹿児島県は九州の南部にあり,西側が薩摩半島,東側が大隅半島になっている。この二つの半島にかこまれて鹿児島湾があり,その南西には,種子島・屋久島・奄美大島など,大小20あまりの島々がつらなる。県の土地の大半は,霧島山・桜島・開聞岳などの火山灰でできたシラス台地である。
川は,霧島山地から西へ流れている川内川,大隅半島の肝属川と菱田川をのぞいては小さく,まとまった平地も,川内川流域の大口盆地と川内平野のほかはほとんどない。
気候は,大口盆地のように,夏は暑く冬は寒い内陸性の気候のところもあるが,全体的にあたたかである。南の島々は,冬もあたたかく,霜のおりない亜熱帯性の気候である。鹿児島県は,台風の通り道にあたり,大きな被害を受けることも少なくない。
歴史
大和政権が,九州南部に住んでいた隼人族をおさめて,薩摩国と大隅国が成立したのは,8世紀初めのことである。平安時代には両国とも藤原氏の荘園となっていたが,鎌倉時代に島津氏が守護となって以後,明治になるまで島津氏の支配がつづいた。江戸時代には,薩摩藩は琉球を支配して,中国貿易で大きな利益をあげていた。
明治維新後の廃藩置県によって,薩摩藩のほとんどは鹿児島県となり,鹿児島市に県庁がおかれて現在にいたっている。
産業
鹿児島県の第1次産業人口の割合は約10%(2010年),農業生産額は,北海道,茨城県,千葉県についで全国4位である(2009年)。シラス台地が多いため,農業は畜産と畑作が中心である。とくに畜産はさかんで,その生産額は農業生産額の約6割をしめる。
畑作物では,サツマイモの生産量が全国1位,ジャガイモ・サトイモ・カボチャ・ダイコンや,施設栽培のピーマンの生産量が2〜6位となっている。ほかに,茶・ナタネ・葉タバコなどの工芸作物の生産もさかんである(2010年)。
工業は,畜産物やデンプンなどを中心とした食料品工業が中心だったが,近年は,鹿児島空港周辺にIC工場,鹿児島湾臨海埋め立て地に製材・機械・金属などの工場が進出し,工業生産額もふえてきた。
日本の畜産基地鹿児島県
鹿児島県では,特産のサツマイモなどを飼料に,昔からブタの飼育がさかんだったが,日本人の食生活が変化し,肉類の消費が大きくふえるようになって,その規模が急速に拡大した。1970(昭和45)年ごろから,商社やスーパーなどの資本による大規模飼育も行われるようになり,ブタだけでなく,肉用牛やブロイラーの飼育も急速にふえた。
ブロイラー・ブタの飼育数は全国1位,採卵鶏・肉用牛は2〜3位で,鹿児島県は日本第1の畜産基地となった(ブロイラー2009年,ほか2011年)。なかでも,大隅半島の笠野原台地一帯は大畜産地帯となっている。また,鹿児島県特産の黒ブタは,とくに味がよく,食肉店やスーパーマーケットなどでは高級品として高い値段で販売されている。さらに,近年,高級品種である黒牛,食肉鶏のサツマシャモなどの人気も高まっており,鹿児島ブランドの畜産品の評価は高い。