太陽系の内側から数えて4番目の惑星。太陽からの平均距離は約2億2790万km,公転周期は1.8809年(687日),自転周期は約24.6時間,赤道半径は3396km,質量は地球の0.107倍である。2つの衛星フォボスとダイモスがある。
火星の表面
大気はきわめてうすく,主として二酸化炭素からなり,ほかに窒素・アルゴンなどがある。表面は赤い色をしており,極地方には白い極冠が見られる。極冠は氷や二酸化炭素がかたまったドライアイスであり,火星の夏季には小さく,冬季には大きくなる。表面には月面に似たクレーターが多く見られるが,オリンポス山のように火山性の地形も見られる。また,過去に多量の水が流れたことを示す地形や水がしみ出した跡と考えられる地形なども見られる。表面の気温は季節によって-130℃〜+30℃まで大きく変化する。これまでの探査では火星に生命の存在を示す証拠は発見できていない。
火星の見え方
火星は地球の外側を公転する外惑星であるため,1晩中見え,真夜中に南の空に見えることがあり,このとき最も大きく,明るい。日の出前の東の空や日没後の西の空に見えるときは地球からはなれているので,小さく,暗い。火星はごくわずかしか満ち欠けをしない。また,火星の公転周期は地球のそれよりも長いため,地球は火星を追いこすことがある。そのため,地球から火星を見ると,火星が星座の中を一時あともどりするように見える。これを逆行という。
コーチ
太陽に対して地球と同じ側にあるときの火星は,日没のころ東の地平線からのぼり,真夜中に南の空に見え,日の出のころ西の地平線にしずむ。