かろく【家禄】 武士(ぶし)が主君から受けた給与(きゅうよ)。基本的(きほんてき)に米で支給(しきゅう)され,支給額(しきゅうがく)も米を単位(たんい)にされる。家禄(かろく)には,家格(かかく)の高い武士(ぶし)に領地(りょうち)とともにあたえられる知行(ちぎょう)取りと,現物(げんぶつ)の米で支給(しきゅう)される蔵前(くらまえ)取りとがあった。江戸幕府(えどばくふ)の旗本(はたもと)・御家人(ごけにん)で蔵前(くらまえ)取りの多くは,直接(ちょくせつ)米を手にすることはなく,札差(ふださし)という商人から,それに応(おう)ずる現金(げんきん)を受け取った。札差(ふださし)は,蔵前(くらまえ)を現金(げんきん)化するだけではなく,それを担保(たんぽ)に武士(ぶし)に借金(しゃっきん)させたため,銀行のような役割(やくわり)をはたし巨大(きょだい)な富(とみ)をきずいた。