カント(イマニュエル=) (1724〜1804)ドイツの哲学(てつがく)者。近代哲学(てつがく)の祖(そ)といわれる。東プロイセンのケーニヒスベルク(現在(げんざい)はロシア領(りょう)の飛(と)び地)で貧(まず)しい馬具商の家に生まれ,ケーニヒスベルク大学で哲学(てつがく)・神学・自然(しぜん)科学を学び,のち母校の教授(きょうじゅ)となる。かれは,イギリスの経験論(けいけんろん)とデカルトの合理哲学(てつがく)の総合(そうごう)をはかり,理性(りせい)の働(はたら)き,道徳(どうとく)の尊(たっと)さ,人格(じんかく)の自由を強くうったえ,哲学(てつがく)に新しい出発点をあたえた。『純粋理性批判(じゅんすいりせいひはん)』などの著書(ちょしょ)がある。