手術,抗がん剤,放射線療法につづく,がんの第4の治療法として近年,注目されている療法。肝臓がん・子宮頸がんなど特定のウイルスによってひきおこされるがんに対する,がんウイルスワクチン療法とは別のものである。体内に生じたがん細胞はキラーT細胞などの免疫細胞によって攻撃され,免疫細胞の数と力がまさる場合,がん細胞は死滅する。免疫細胞が標的にするのは,がん細胞の表面にあらわれるがん抗原ペプチドといわれる物質で,このペプチドを目印にして免疫細胞はがん細胞自体を攻撃することになる。そこで,がん抗原ペプチドを人為的に投与し,免疫細胞を大量にがん細胞に誘導して,攻撃・死滅させようというのが,この療法のしくみである。現在,臨床実験,試験治療が進められている。⇒がん,がん細胞