大気の状態を知るために,気温・気圧・湿度・風向風速・降水量などの気象要素を測定したり,雲・霧・雨・雪などの諸現象を観察すること。気象観測のおもな目的は,全世界にもうけられた気象観測機関が同一の時刻に同一の方法で観測を行い,得られた結果を迅速に収集して,ある地域または北半球全域などの気象状態をとらえ,それにもとづいて気象の予報を行うことである。観測対象によって次のように分けられる。
地上気象観測
地面近くの気温・気圧・湿度・風向風速・降水量・雪の深さ・雲・天気・日照・蒸発量などの気象要素を観測する。観測する戸外の場所を露場とよぶ。
コーチ
気温や気圧などは,露場の中の地上1.5mの高さではかる。
海上気象観測
船舶や気象観測船,海洋気象ブイロボット,フロートなどで海洋の気象要素を観測する。
高層気象観測
高層の気圧・気温・湿度・風などを,観測機器と無線器をいっしょに気球につけて飛ばして観測する。
レーダー気象観測
電波を発射して雨滴や雪片などからの反射電波を受け,降雨域や降雪域を観測する。
気象衛星観測
気象衛星によって雲の分布・雲の高さ・高層風・海面水温・海霧・海水などを観測する。
アメダス観測
全国約1300地点にロボット気象計を,約300地点に自動積雪深計を配置して,細かな地点の降水量・風向風速・気温・日照時間・積雪の深さを観測し,そのデータを電話回線を通して集めるものである。これをアメダス(地域気象観測システム)という。