きたむらとうこく【北村透谷】 (1868〜1894)明治(めいじ)時代の詩人・評論(ひょうろん)家。神奈川(かながわ)県小田原(おだわら)市の生まれ。はじめ自由民権(みんけん)運動にくわわったが,政治(せいじ)に失望(しつぼう)して文学に転向。1892年ごろから多くの評論(ひょうろん)をあらわして,当時の社会にはびこっていた封建的(ほうけんてき)な習慣(しゅうかん)や思想をはげしく攻撃(こうげき)した。1893年,島崎藤村(しまざきとうそん)らと雑誌(ざっし)『文学界』を出して浪漫主義(ろうまんしゅぎ)の文学運動をおし進めたが,理想と現実(げんじつ)のくいちがいに絶望(ぜつぼう)し自殺(じさつ)した。詩に『楚囚之詩(そしゅうのし)』『蓬莱曲(ほうらいきょく)』,評論(ひょうろん)に『内部生命論(ろん)』がある。