(1942〜2011)朝鮮民主主義人民共和国の元最高指導者。キムイルソン(金日成)国家主席の長男として生まれる。1964年,金日成総合大学を卒業後,朝鮮労働党中央委員会に入り宣伝扇動部で映画・演劇を指導したといわれる。74年に中央委員会政治委員,80年に党政治局常務委員・軍事委員会委員に選出され,はじめて実名で公式報道される。金主席を補佐しながら後継の手順をふみ,94年の金主席の死亡後3年間を喪に服し,97年に党総書記に選出される。98年,国防委員長に再任,党・軍・国家組織のすべての権力継承を完成させた。2000年の韓国との南北首脳会談ではじめて国際社会に姿をあらわした。軍を基盤に権力を掌握し,絶対的な独裁体制を保つ。核兵器開発や武器輸出,日本人・韓国人拉致問題などによる国際的な孤立,国内の飢餓など問題が山積するなか2011年12月,急死。権力体制は三男のキムジョンウン(金正恩)が継承したが,継承時に20代後半といわれる若さ,権力基盤の浅さ,未知数の能力など,北朝鮮情勢の今後が注目されている。⇒キムイルソン